「波瑠は飛びたつ!」ホテルローヤル 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
波瑠は飛びたつ!
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直木賞を取った自伝的作品ですから、波乱万丈というストーリーではありません。それでも観終わったら、何か主人公の持っていた宿命みたいなものが、さらりと溶けていく様な明るさに救われました。ヒロインの人生は、確かに幾分歪んでいますが、逆に言えば生きているだけで、儲けモンだという発想が、彼女の中にあるようです。初恋相手の松山ケンイチと波瑠は、肉体的な結びつきはありません。それでも、何かを捨て、何かを掴むという意味では、確実に彼女は殻を破っています。ローヤルというラブホテルが舞台ですから、性に対する賛美的なものが出てくるのはよく理解できます。人間模様としても、不幸物語がいくつか展開されます。特に不倫というのは、人間の持つ一つの魔の存在のような面がありますが、考え様によってはそれによって破滅しても、その人間の根底では、それを願って行っているので、本来後悔するものではないのかもしれません。不幸を味わいたいと願って生まれ落ちてくる人もいるわけですから。いずれにしても、恋愛はゲームであり、結婚は宿命だと言えるかもしれません。波瑠さんの新しい面と
北海道の自然の美しさが見れて幸せでした。
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