「最果ての町のラブホは人間交差点」ホテルローヤル カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
最果ての町のラブホは人間交差点
冒頭は廃墟のラブホで写真を撮る目的のカメラマン気取り?の男とおねいちゃん(冨手麻妙)。元AKBの女優さんらしい。頑張るねぇ。潔い脱ぎっぷりでした。ホテルローヤルは北海道の釧路湿原のそばに建つラブホ。全10室。休憩3800円。宿泊5600円。
従業員役の余貴美子、原扶貴子のコンビがよかった。地下のボイラー室の換気ダクトから漏れて来る客室の話しや喘ぎ声で盛り上がる二人。潜水艦か?
美大志望のひとり娘、雅代役が波瑠で、札幌の美大に受からなくて、家業のお手伝いをしていた。大人のオモチャ販売員のエッチ屋さん(松山ケンイチ)。なんか浮いていたねぇ。インチキ臭くて、雅代(波瑠)が好きになるかなぁ?キャストに無理があったかなもね。ラブホにおいてあるオモチャは割高だから利用する人少ないだろうけど、営業して回っている人がいるんだと勉強になりました。重要な役ではなかったけどね。
お父さん役は安田顕、お母さん役は夏川結衣。お母さんは御用聞きの若い男に入れ込んで、出て行ってしまう。狭い町なのにねぇ。女将さんを次いだ若女将の雅代。法事の帰りで来た?中年夫婦。奥さん積極的。部屋のど真ん中のシースルーのお風呂がエッチすぎ。そこで、ご無沙汰の夫婦の会話。心暖まるいい場面でした。バブル入浴剤の使い方をふたりに波瑠が指導する場面が面白いけど、それある?
伊藤沙莉と岡山天音のカップルは新鮮でした。おもしろい取り合わせ。家出女子高生伊藤沙莉の防寒ブーツが相当臭いらしい。ブルーチーズの臭いがしたような気がしました。低い声が渋くてリアルなんだよなぁ。「正真正銘の家出女子高生と最後にセックスやっとく?」なんて言ってたな。
心中騒ぎで、経営困難になり、安田顕が娘の若女将に任せっきりで、自堕落な生活から体調をくずして、死んでしまい、ホテルを閉じる準備をする。エッチ屋さんが手伝ううちに変な展開。雅代は処女?初めてで、ごくぶとバ○ブ使うの?
父親と母親の若い頃の場面は希望に輝いていた。部屋に置かれるみかんが絆の象徴だった。ミカ役の余貴美子の息子が事件を起こして逮捕されてしまうなどの場面でも、手から手へ渡されるみかん🍊。
直木賞作家の自叙伝的小説の映画化。チャプターごとに違う話しをまとめた小説のようです。映画で一本の話しにまとめるのは、散文的過ぎて、難しかったと思いますね。深夜ドラマでよかったと思いますけど、笑いとペーソスを両立させるなら、キャストを考えないとね。