「原作を読んでいると、気になって仕方がありませんでした」ホテルローヤル chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
原作を読んでいると、気になって仕方がありませんでした
かつて心動かされた原作が映画化されると、とても気になります シネコンの時代になって2週目以降はとても見に行けない回数・時間となることもあって、「さくら」も今週封切でしたが、こちらを選びました 「さよなら歌舞伎町」と比べられている方がおられましたが、外から見れば眉をひそめたくなるように世間から評されているラブホテルでも、実はとても人間らしい営みがあって、その行為そのものよりも「人間そのもの」を感じる登場人物でした 田舎の「モーテル」と呼ばれて いた頃の風景があったころの時代でありました 明るく元気になる泣ける話ではまったくないけれど、幼い時から軽蔑もし、距離を置いてきた主人公の気持ちの変化には共感でき、親がホテルを始めるあたりの歴史をたどっていくラストは、ズタズタになった親子関係に少し救いを感じました 原作に出てくるエピソードはほぼ網羅されていました 客も従業員も、そして経営している家族も、誰もが生活感があって、みんな辛い日常の中にあること、ちょっとほろっとしました 「白いページの中に」は1978年人気のあったラジオの帯番組「コッキ―ポップ」で当時今月の歌として毎日柴田まゆみさんの歌で流れていましたが、時代的にもラブホテルが辺鄙な郊外にたくさん作られ、それこそ「非日常」を彩る内装を競った時代だった頃の歌だったでしょうか 都市にあり風俗業が色濃くチェーン化している「さよなら歌舞伎町」の舞台と、田舎の家族経営の「ホテルローヤル」、中での営みは同じことをやっていても、時代の変化を感じました(11月15日 ジストシネマ和歌山 にて鑑賞)
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