劇場公開日 2020年11月13日

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「大切な場所ですよ」ホテルローヤル MARさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大切な場所ですよ

2020年11月15日
PCから投稿

悲しい

楽しい

幸せ

美大の受験に失敗し、両親の経営する大嫌いなラブホテルを仕方なく継いだ主人公。
そのホテルに訪れる様々なお客さんの人生を垣間見ながら変わっていく主人公の物語。

子供の犯罪、子育てや介護に悩む夫婦、あらゆるものに見捨てられた二人…。
様々な物語が集まるラブホと言う場所で働く主人公。

まず、ラブホが舞台の映画だからある程度は…と思っていたが、序盤からいきなり出してきてビックリした。知らなかった人、帰ってからお名前検索した人多いでしょうね。私もその一人だ。

そして、部屋の声が従業員に筒抜けの構造ってどうなのよ!?
カップルの情事の声を聞いて楽しむとか、なんともおもしろs…いや、断じて許せん!!

関係ないが、一人暮らしも大分長い私だが、付近の部屋からそういう声が漏れ聞こえたのはあんまり無いな。皆さんちゃんと(⁉)ラブホに行っているということか。上映中、こんなことを思った私は間違いなくキモい。

…さて、話が逸れましたが、その声を聞いて面白がるおばちゃんたちをよそに、魂が抜けたように真顔を貫く波瑠さん。そのお顔すら整いすぎていて、状況とのコントラストがシュールで面白い(笑)

子育て&介護夫婦のシーンが良かった。最後奥さんの言った、そしたらまた誘う、、、的なところは結構胸に響いた。

女子高生と先生、あぁするしかなかったのかな。。悲しいけど、主人公が父親と自分に重ねることと、えっち屋さんの「ごほうび」の流れにつなぐ展開は面白かった。よければ差し上げますって…w

挫折し、仕方なくホテルを継いだ主人公だけど、地味で戸惑いながらもその仕事をこなそうとする姿に応援したくなったし、最後の演出も、彼女にとっては嫌いだったこの場所も、誰かにとっては大切な場所だったんだなと。。

もうちょっと強引でもよいから泣かせに来て欲しかったかも。と思いながらも、少し寂しいけどコミカルな演出も見せつつ、最後はほんのり暖かな気持ちにさせてくれる作品だった。

MAR