劇場公開日 2021年10月1日

護られなかった者たちへ : 特集

2021年9月21日更新

映画.comが自信をもって推す“魂が泣く”ミステリー
容疑者・佐藤健×刑事・阿部寛 連続餓死殺人事件は
なぜ起きたか?熱演と名演出で紡ぐ、とてつもない良作

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見たらきっと、魂が泣く――。この良作を、あなたはちゃんと“把握”しているだろうか?

佐藤健と阿部寛が共演し、「64 ロクヨン」前編・後編の名匠・瀬々敬久監督がメガホンをとった「護られなかった者たちへ」(10月1日公開)。多くの話題作が控える2021年秋シーズンのラインナップの中で、本作に対していまだ明確なイメージを抱けていない方もいるかもしれない。だが、それは非常にもったいない!

この映画は、メジャー大作にして、観た者の感情を別の次元に連れていく屈指の良作。連続餓死殺人事件の真相を追うミステリーに、この国に生きる人々の憂いを込めた慟哭のドラマが重なり、キャスト陣の熱演と巧みな演出が映画の“格”を高めてゆく――。劇場で見たことを後々まで誇れるような、特別な逸品なのだ。


【予告編】

【キャスト・物語】佐藤健×阿部寛が激突、波乱、慟哭
連続殺人事件の裏に潜む、あまりに切ない真相とは

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「護られなかった者たちへ」が、何をもってして「とてつもない良作」なのか――。ここからはその“根拠”を解説していく。

まずは、今一度予告編を見てみてほしい。佐藤健が泥水に顔を突っ込まれた状態で絶叫する予告編のファーストカットの時点で、本作は他の映画と一線を画した「本気の映画」であることを痛感するだろう。ベストセラー作家・中山七里が渾身の思いで生み出した切なくも骨太なヒューマンミステリーが、日本映画屈指のキャスト・スタッフによってさらなる進化を遂げた!


[あらすじ]凄惨な殺人事件が起きた 被害者は誰もが慕う“善人”“人格者”ばかりだった

本作が観る者の心をつかんで離さない理由のひとつ、それは“深み”に満ちた物語だ。舞台は、東日本大震災から9年後の宮城県。周囲から「善人」と呼ばれていた男たちが、相次いで消息を絶つ。彼らは全身を縛られたまま放置され、やがて餓死していった……。

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この凄惨な連続殺人事件を追う宮城県警捜査第一課の笘篠誠一郎(阿部寛)は、捜査の中で利根泰久(佐藤健)という男に行き当たる。被害者らと接点があった利根は、過去に放火事件を起こして服役し、刑期を終えて出所したばかりの元模範囚だった。一連の事件の犯人は利根なのか? 犯人と断定する確証がつかめないなか、第3の事件が起こってしまう――。

深まる疑念、予想もつかせぬ展開、やがて明かされる切ない真相。この物語を見届けたあなたは、最後に何を思うだろう?

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[最大の見どころ]キャスト陣の芝居…【容疑者】佐藤×【刑事】阿部の2人は“事件的名演”

心に響く魅力的な物語の上で輝くのは、本作のためだけに集まった超豪華キャスト。佐藤健、阿部寛はもちろん、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都、永山瑛太、緒形直人といった幅広い世代の実力派俳優たちが、様々な想いを抱えた複雑なキャラクターを体現。殺人事件があぶり出す、一見無関係だった人々の衝撃的な共通点とは? 名優たちの熱演が折り重なり、心を深く穿つ人間ドラマが立ち上がる――。

○佐藤健/容疑者・利根泰久…心を閉ざした謎の男 その心の内に秘めた想いとは

「るろうに剣心」シリーズを大ヒットに導き、日本を代表する存在へと駆け上がった佐藤健。彼が次に選んだのは、心に深い傷を負った青年だった。身寄りがなく、孤独に生きてきた彼は、震災後、家族と呼べる存在に出会う――。ひとりの青年が再生していく“過去”と、連続餓死殺人事件の容疑者として追われる“現在”のギャップを、見事に演じ切った佐藤。新たなマスターピースと呼べる渾身の力演を、ぜひ眼に焼き付けていただきたい。

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○阿部寛/刑事・笘篠誠一郎…震災で家族を失った過去を抱える、一匹狼

東日本大震災で最愛の家族を失い、9年後の今なお喪失感に苛まれながら職務を全うする刑事。しかし、想いが強すぎて組織の方針に従えず孤立気味……。ローマ人や心霊研究家、朴訥とした男まで、“演じられぬ役柄のない阿部寛”が、本作でまた一人、新たなキャラクターを世に生み出した。利根を追うなかで、彼が抱える哀しみを知った笘篠がとった行動とは……。最後に阿部が見せる演技は、キャリアハイといっても過言ではない出色の出来だ。

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○被害者の部下・清原果耶、重要人物・倍賞美津子、刑事・林遣都…名優の合奏に感服

佐藤と阿部の極上の演技対決に引っ張られるように、共演者たちもそれぞれに渾身の名演を披露。NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」に主演している若手最注目株・清原果耶は、被害者と同じ職場で働く保健福祉センターの職員を確かな演技で魅せる。

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利根と震災後の避難所で出会い、本物の家族のような絆を深めていく女性・けいを演じた倍賞美津子は、圧倒的な存在感で作品をきっちりと締め、笘篠の後輩刑事役を任された林遣都はクールな現実主義の青年を的確に演じ、阿部寛との流れるような掛け合いで作品に広がりをもたらしている。他にも、誰もが知る名優たちが続々登場! すべての瞬間が必要不可欠なピースとなっている。

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【観客の評価】試写会実施…満足度はなんと100%!
「一生忘れられない作品」「目の演技がすごかった」

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いち早く「護られなかった者たちへ」を受け取った映画ファンは、どんな感想を抱いたのか? 映画.comは本作の試写会に来場した60人の観客にアンケートを実施した(10代から60代まで幅広い年齢層が来場)。

その満足度、なんと驚天動地の100%! 「100%」となると読者の皆さまは「嘘でしょ」「どうせ忖度」と思うかもしれないが、これは紛れもないガチの結果だ。我々も集計してみてたいへん驚いたが、来場者全員が満足する圧倒的な“力”があるということだ。では試写会参加者は本作のどこにそこまで惹かれたのか? 慟哭の物語に打ちのめされた直後の、生の声をお届けする。


〇涙が止まらなくなる人続出…深遠なテーマに「考えさせられた」声も

アンケートによると、満足度は「とても満足した」が41票(68%)、「満足した」が19票(32%)という結果に。そもそもアンケート記入者全員が「満足した」と回答すること自体、異例中の異例。さらに、どの回答者も長文で作品の感想を綴っており、改めて本作の完成度の高さを痛感させられる。

「涙でぐしゃぐしゃでした。一生忘れない作品になりました」(23歳・女性/警備員)

「映画を観ているときは心が持っていかれるようで、終わった瞬間涙が出た」(21歳・女性/学生)

「感動して、自分がいま何を大切にしなければならないのか、いまの世の中に何が大切なのか、護るものは何かを考えさせられました」(45歳・女性/会社員)

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〇キャスト陣の「演技」に引き込まれ、感情を揺さぶられる

参加者の感動の要因になったのは、もうひとつ。俳優陣の人生をかけた演技の数々だ。佐藤健や阿部寛、清原果耶といった個々の演技に対する評価だけでなく、全員のアンサンブルを絶賛する声が多く見られた。

「それぞれの方たちの演技が素晴らしく、感情を揺さぶられました。物語の中に生きている実感がありました」(43歳・女性/歯科医師)

「真正面から向かい合って、色々な想いを持って、取り組まれたと感じました。キャストの皆様の演技力あってこそだったと思います」(39歳・女性/会社員)

「キャスト全員のお芝居のレベルの高さが凄まじく、泣いてしまうほど感情移入しながら観ていました」(28歳・女性/会社員)

「全員、目の演技が凄かった。迫力があった」(31歳・女性/団体職員)

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○最も感動し、最も大切に思えたシーンはどこ?

この項目の最後に、参加者がもっと感動したシーンについて、ネタバレにならない範囲でお伝えしよう。

「けい(倍賞美津子)さんが、カンちゃんを抱きしめて『幸せだ』と言ったところ」(45歳・女性/会社員)

「ラストシーン。阿部寛さんの最後の言葉に強く感動した」(34歳・女性/会社員)

「利根(佐藤健)が『死んでいい人なんていないんだ』と言うシーン。生きるという意味を考えさせられた」(59歳・女性/主婦)

「震災の直後、佐藤健ら3人がうどんを食べるシーン。知らない人同士が寄り添って、人の優しさが感じられた」(30歳・女性/会社員)

ぜひとも劇場へ足を運び、これらのシーンをご自身の目で確かめてほしい。

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【編集部レビュー】本当に感動したとき、魂が泣く
映画ファンに自信をもって推せる、とてつもない良作

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絶賛が相次ぐ本作だが、映画.com編集部員はその“構成と演出の妙”に注目した。

「64 ロクヨン」前編・後編や「8年越しの花嫁 奇跡の実話」「糸」など、良作を次々と世に送り出す瀬々敬久監督と、「永遠の0」「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」「空飛ぶタイヤ」などの人気作を手掛けてきた脚本家・林民夫がコラボレーション。生み出された脚本は、震災の爪痕や、それによって深刻化する生活保護の問題など、現代社会に通じる要素がより強められ、実に骨太な内容となった。

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非常に印象的なのは、物語をセリフに頼りすぎることなく、“行間”で明らかにしていく構造だ。試写会アンケートでキャスト陣の「目の演技」に心奪われた観客が後を絶たなかったように、彼らは役者を「説明役」として配置せず、登場人物として物語世界を“生きる”ことで、言葉にできない想いが浮かび上がってくる方法論をとった。

観客は役者の表情やセリフの行間、映し出される背景を凝視し、「語られなかった物語」を能動的に読み解こうとし、いわば「登場人物を追体験」していく。その過程で、登場人物の心情と同化し、頭で理解するよりももっと深いところで共振する「魂が震える」状態が引き起こされるのである。

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実際、筆者がマスコミ試写会で本作を観賞した折には、登場人物の苦悩や葛藤が心にダイレクトに響き、「我を忘れる」ほど心情が同化していった。その最たるものはラストシーン。あるサプライズが起こる感動的な結末だったが、不思議と涙は流れなかった。スクリーンに映る登場人物は、涙を流していなかったからだ。

だから客席の筆者も涙は流れず、むしろすべてが精算できたような“放心状態”に陥った(どういう意味かは、観ればわかる)。それは上映終了後も余韻として残り、客席には自分と同じように放心状態に陥った人々が多く見られた。

多くの映画を見慣れてきた人々をこの状態にしてしまう本作の底力。感銘を受けながら試写室を後にしたとき、壁に貼られた本作のポスターに目が留まった。キャッチコピーは「魂が泣く」だった。

そうか。本作に強く感動したのに、瞳から涙が流れなかったもうひとつの理由がわかった。脳よりも早く、魂が泣いていたからだ――。この映画に出合って、初めて得た感覚。あなたもぜひ、体感していただきたい。

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