「何故最後にありがとうと」護られなかった者たちへ ようかんニコさんの映画レビュー(感想・評価)
何故最後にありがとうと
笘篠は利根に言えたのか。
それは、笘篠か誰よりも彼を理解したから。
自らの目で耳で行動で。
利根の生い立ちから、その後の円山との出会いを通じて、笘篠の子を救えなかった悔恨の念だけでなく、本当の家族よりも強い絆を創り上げた事実を笘篠は知っていたから。
作品に散りばめられたピースが、あの場面で結実した気がした。
誰もが善と悪を持つ。
法を守る事が善、破る事が悪。
そんな善悪の定義をあの大震災が歪めてしまった。
なんとも言えない、後味の悪さ。
最後の場面は、それだけで終わりにさせない人本来の善を魅せてくれたと思う。
笘篠のありがとう、に救われました。
良い、と言う事が正しいのかわかりませんが、良い映画でした。
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