「おかえり果耶」護られなかった者たちへ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
おかえり果耶
「いぎででよかった」
2021年映画館鑑賞96作品目
11月7日(日)イオンシネマ石巻
原作未読
原作は『さよならドビュッシー』の中山七里
例外に漏れず原作とはだいぶ違うらしいがそんなことは全くどうでもいいこと
監督は『64』『楽園』『糸』『悪党』の瀬々敬久
脚本は『藁の楯』『永遠の0』『予告犯』『空飛ぶタイヤ』『糸』『太陽は動かない』の林民夫
豪華キャスト陣
東日本大震災の宮城県仙台市
利根泰久と円山幹子(カンちゃん)が本当の母親のように慕っていた老婆遠島けいが極貧なのに生活保護が貰えず自宅で餓死
区の対応に不満を持つ泰久は区役所に放火し逮捕され服役
出所後遠島けいの生活保護申請に関わった役場職員が次々に殺される事件が発生
死因は餓死
守られなかったではなく護られなかったってのがミソ
生活保護をめぐる復讐劇
利根泰久は赤ん坊の頃に臍の緒がついたままトイレに捨てられ孤児院で育つ
震災で職場とアパートが流される
カンちゃんの母は津波に飲まれ亡くなる
配役の妙が凄い
殺されるのが永山瑛太と緒形直人
殺されそうになるのが吉岡秀隆
そして真犯人はカンちゃん役の清原果耶
『おかえりモネ』では人の話をボーっと聞いてニヤニヤしてばかりいるような印象で勿体無いとNHKに対して地団駄を踏んでいた
清原果耶は有能
若いのになかなかの迫力
やっぱり俳優清原果耶は映画が真骨頂
ただ女子1人の体力であの犯行は可能だろうか
いくらスタンガンがあっても
火事場の馬鹿力っていうのもあるし絶対に無理だと断言できないがどうしても引っかかる
犯人役にも格が必要
警視庁捜査一課長みたいに上島竜兵や磯野貴理子じゃダメなんだ
なんだよそれってがっかりさせてはいけない
佐藤健が顔半分を水溜りに押しつけられるシーン好き
笘篠刑事を演じた阿部寛が「汚名返上」というべきところを「汚名挽回」と言っていた
監督は気づかなかったのだろうか
そのうち「風の噂(本当は風の便り)」みたいになるのかな
賠償姉妹の妹の方もずいぶん歳をとったなあ
自分もおじさんになるわけだ
国に面倒みてもらうのは恥だと思う高齢者の心理はよくわからない
だけど反自民反政府なのに一律給付金を強くおねだりするヤフコメ民や爆サイ民は少しは見習うべきだと思う
あと若葉区ってなんだよ
若林区とか青葉区ならあるけど
そりゃ大人の事情ってやつだろうけど
それなら全部架空にすればいいじゃん
宮手県とかS市とか