劇場公開日 2021年11月3日

「人生の喜怒哀楽は、平等にやってくる。」劇場版 きのう何食べた? BDさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人生の喜怒哀楽は、平等にやってくる。

2023年1月9日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

楽しい

ドラマをしっかり見ており、この作品の描く空気感は理解しているつもり。(と言いながら見そびれてしまって公開から1年以上後に観賞…笑)今回も期待を裏切らず。何も足さない何も引かない、きのう何食べた?の世界。

「気に入らない。お孫さんなんて要らないよ」
「でも、他人が幸せに思うことは、俺だって幸せに思うよ」
こうした内野聖陽と磯村勇斗の会話がまさに表すように、おそらく「ゲイ由来」であろう人生の摩擦や生きづらさを、誰しも持ちうる人生の摩擦と等価に描いている。それが、この漫画の居心地の良さの核。

人生の喜怒哀楽に、実はセクシャリティや社会的な固有性はそこまで深く関係していない。人それぞれの悩みがあり、人それぞれの楽しみがある。ただそれだけだったりする(もちろん例外はあります!)。一から十までその人生観が出ているから、この作品には惹かれるんだ。

あと、この漫画がいやらしくない理由として、とにかく主人公カップルが不必要にベタベタしないところにあると思ってるんですが、今回特にいろいろギリギリなシーンをやり過ぎて、内野聖陽演じるケンジがイチャイチャしたがるところを西島秀俊演じるシロさんが話を逸らして逃げるみたいな、逆にこいつらまだ付き合ってねーだろ笑 みたいな、長年のカップルではあり得ないであろう、片想いの関係性のようなシーンが散見されました。まぁ別にいいんですけど笑、ちょっと笑っちゃいましたね。シロさんはちょっとした狂言回しだから仕方ないのかな。 逃げる西島秀俊も、まぁ楽しいよね笑

BD