劇場公開日 2021年11月3日

「せつなくて」劇場版 きのう何食べた? Megumiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5せつなくて

2021年11月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

早朝のTOHOシネマは大混雑。何食べファンの観客が満員で凄い熱気。上映中はところどころ爆笑が起こって、みんなでこの瞬間を楽しむという映画の醍醐味を味わう事ができた。私は特に西島さん演じる史朗に心打たれる場面が多かった。一見ハイスペックなのだがゲイには全くモテず、両親も本心では自分の恋人を受け入れてくれていない、ゲイにはモテないけどゲイだとバレるのも嫌で、そんな自分の弱さにも嫌気がさしている史朗。今回の映画でも恋人への想いと両親との間で板挟みになり苦悩している。
西島さん演じる史朗にはそうした人生における葛藤が滲み出ていてどこか影を感じさせる。
だからこそそんな史朗が恋人に対して想いを切々と吐露する場面がよりせつなくて泣けるポイントになっている。史朗が抱えてきた苦しみは対象は違えど人間誰しもがどこか持ち得るものでだからこそ共感できるのではないだろうか。
この映画はあくまで料理が主役で、料理を作る食べるを通しての人間模様、絆を深めるというところが1番の魅力。だからこそ終始温かい気持ちで鑑賞できる。悩みはあれども好きな人と美味しいご飯を楽しく食べる、これが幸せなんだと改めて気づかせてくれる良い映画です。イチオシ!

Megumi