「ジェレミー・キャンプが結婚後わずか4ヶ月で亡くなった妻におくった曲に込めた想いとは?!」君といた108日 バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェレミー・キャンプが結婚後わずか4ヶ月で亡くなった妻におくった曲に込めた想いとは?!
神への信仰心から生まれたゴスペルや、そこから派生したソウルミュージックというものがあるが、主に白人においてもCCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)という神や聖書について歌ったジャンルがあり、サブジャンルとして、クリスチャン・ロック、クリスチャン・ポップスというように派生していく。
今作はそんなCCMの人気歌手ジェレミー・キャンプの実話をベースにした物語である。
監督を務めるアンドリュー&ジョン・アーウィン兄弟は『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』や『ウッドローン』、ドキュメンタリー『The Jesus Music』など一貫して、CCMやキリスト教への信仰心を描いた作品を手掛けている。
今作も宗教映画の側面もあるが、宗派の違いはあれど、アメリカの人口の8割がキリスト教ということもあって、宗教が身近な存在としてある。
キリスト教に馴染みのない日本人にとっては、死に関しての考え方や歌の歌詞など、少し違和感を感じる部分もあったりはするが、純粋な愛の物語として観てもらいたい。
ジェレミーを演じたKJ・アパをキャスティングしたのは、『リバーデイル』で歌うシーンを観たからであるし、KJ自身もクリスチャンの両親のもとで育ったこともあり、神への信仰心をもともと持ち合わせている。歌詞に対しての説得力をもたらしているのは、KJの功績が大きいといえるだろう。
ジェレミーの妻メリッサは結婚後わずか4ヶ月後に卵巣腫瘍で亡くなっている。逃げ出すことなく、病気を知ったうえで結婚したジェレミーの覚悟、そしてメリッサが生命のサイクルとして死を受け入れたこと。
一度は「神は存在しているのか」と信仰が揺らいだこともある。しかし、その経験によって神への信仰が揺るぎないものとなり、 CCM 歌手として成功することで、歌の中でメリッサは生き続ける。