「後半から大きな潮流が一本に収斂」ジョーン・ジェット バッド・レピュテーション mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
後半から大きな潮流が一本に収斂
正直前半はなんでこの映画が自分のリストにインされてるか分からず見ていたのと、パンクやグラムの歴史と成り立ちが自分には全く縁遠く好きなリズムでもビートでもなかったので、この映画中判辺りまでは本当に退屈極まりない作品で★2~2.5位と考えていたら後半、その流れが一気に自分の知っている女性解放史やLGBTQの運動に繋がってきて、そうかジョー・ジェットはここに繋がるのか・・と気が付いた時には図らずにも涙ぐむ感動の渦に飲み込まれてのエンディングを迎えていた。時代、時代で、あ、これもジェットか?あれもジェットだったのか?と節目に顔を出し彼女は既にロック史に欠かせぬ存在であった。女性の解放と自立、性の商品化への強い嫌悪、そして究極には言葉してNoを云えぬ動物たちの痛みにまでその声は及ぶ。それが「愛」でないところがクール。「愛」はやもすると上からになったり、自己満に陥るリスクがあるが、声や音楽は共に身を委ねる事が出来る。これこそがジェットが成し遂げた偉業なんだとこの映画は主張しているのである。今日この映画のおかげで僕のミッシングリンクが一つ繋がった。
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