悲しき天使のレビュー・感想・評価
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配信で最初に観て 今回スクリーンで観ました 時代背景に疑問を感じま...
配信で最初に観て
今回スクリーンで観ました
時代背景に疑問を感じましたが
作品として
遊郭で働く女性の切ない気持ちや苦しみ悲しみなど描いた作品
茂と一美のシーンが純愛でとても綺麗でした
茂の遊郭で働く全て女性への敬愛の気持ちが読み取れてとても良かったです
昔風の東映映画の様な裏社会に生きる訳アリ男女の物語
今の世の中にもこうした世界に生きる人達はいるだろう風俗嬢と従業員の恋愛は基本タブーだが全く無い訳ではないやはり問題のある方は表風俗では不採用なのか?この手の作品は一流の出演者でメジャーな作品として観てみたい‼️
三徳包丁じゃん
借金を抱えた無職の男が訪れた大阪の色街で、出会った女と特別な関係になっていく話。
臭い飯を食ってきた男が通天閣界隈のBARで過去を振り返る形で話が始まって行くけれど…。
現代劇だから仕方ないけど、遊郭とは名ばかりのちょんの間だし、女師がどうとか語っていたけど、全然そんな自分が主導みたいなカッコイイものじゃないし。
もっともらしいもう一人の女師のおっちゃんだって、これのどこに頼りたかったりついて行きたかったり?
色々な言動にしても表現にしても大袈裟過ぎの盛り過ぎで、偽物感が強く安っぽい。
そもそも、作品の導入とはいえ、自分からペラペラ語る男と根掘り葉掘り聞こうとするバーテンダーだもんね。
ストーリーそのものは悪くなかったんだけどね。
そういうのがカッコイイと思ってつくりましたぐらいにしか感じなかった。
異界とされる神秘のベールの世界の男女の物語がちょっと薄いし、惜しいんですよね。
色街文化を語ると必ず出てくるのは吉原遊郭。
現在の吉原は遊郭ではなく、ソープランド街なので、吉原遊郭は遠い歴史の彼方に消え失せてしまったので、それを確認しようと思えば、五社英雄監督の「吉原炎上」でしか確認出来ないw
だけど、昔ながらの匂いを残した遊郭は日本全国で極少数ながらも現代でも存在しているが、その中で多分一番数が多いのは関西ではないだろうか?
歴史の裏舞台であり、合法と非合法の合間にバランス良く生き抜いてきたけど、限りなくグレーゾーン。
そんな関西遊郭で一番有名なのが「飛田新地」
その飛田新地を舞台にした作品と言う事で興味があって観賞しました。
で、感想はと言うと…個人的にいろいろと足りてない感じ。
関西の遊郭で繰り広げられる男女の物語で、この街にたどり着くにはそれぞれの人知れぬ理由がある。その物語を描くと言うのは良いと思います。
酸いも甘いもどころか、美味いも辛いも苦いも臭いも嗅ぎ分けた人達だからこそ、醸し出す人間ドラマが面白いし、そこをアンダーグラウンドでディープな街だからこそ、深みがあるんだと思います。
でも、そうはなってなかった。個人的には。
セクシー女優でありながら、演技力で定評のある川上奈々美さんが出演されているのも気になっていたんですが、一番観賞したかった理由はあの門外不出と言うか、存在は知られていても、殆んどマスコミメディアに出る(紹介も含め)事の無い、飛田新地で撮影が行われたと言う事。
関西の土地柄も含めたアングラ事情を知っている者ならそれだけでもビックリ仰天。
飛田新地はすぐ近くの通天閣がある新世界が串カツ目当ての観光客で賑わいをみせているけど(あくまでもコロナ前ですが)、一本道路を隔てて、南に進むとだんだん怪しさが増していきw、完全に別世界と化す。
もうその様子は一言では言い表す事が難しいぐらいで、失礼な言い方をすると"ここ、本当に日本か?"と言う感じw
それぐらいにカルチャーショックが激しい所で新世界から歩いて10分程で、こんな所があるなんてと驚いてしまう。
そんな飛田新地でロケをしていて、遊女の物語を描いているのはやはりビックリ。
いろんな意味で"怖いもの知らずと言うか命知らずだなぁ"と思うのでありますw
劇中では飛田新地をロケーションにしているけど飛田新地の「と」の字も出てこず、「鶴舞新地」と言われていた。
鶴舞だったら、名古屋やんけと思ったけど、とりあえず舞台は通天閣のネオンが煌めく紛うことなき大阪の西成w
まぁいろいろと言えない事やおおっぴらに出来ない事があるんでしょうねw
原作は関西「五大新地」の一角、「信太山新地」を舞台にしているとの事だけど、規模やネームバリュー、華やかさの点でも飛田新地は一枚も二枚も上回っているので、そこを考えると飛田新地に変更したのは個人的には正解かと。
じゃあ、何が駄目かと言うと、この御時世に置いて、何故風俗ではなく、敢えて遊郭で働こうとする女性がいるのか?と言う点と何故未だに遊廓が存在するのか?と言う点の説明描写が甘い。
単に在りました。と言う説明だけでは、理解しきれない歴史と文化と理由が存在するのに、そこがなんか薄いんですよね。
また、あくまでも個人的な見解でのお話になりますが、飛田新地界隈では殆んどトラブルは起こらない(と聞いている)
何にも知らない観光客が写真を撮ろうとするだけで咎められてしまうし、またその様な行為を簡単に許していないと言う空気が漂っているのだ。
いろんな部分で警察や行政のお目こぼしを受けている部分が多々あると思われるだけに、トラブルで変に目を付けられる事を極端に嫌う街なので、劇中で起こった様なトラブルは全くご法度だし、その様なトラブルの種を持ち込む輩も除外される。
普通の繁華街の風俗よりも圧倒的にトラブルが少なく、有る意味で安心で守られていると言っても過言ではない。
それが働く女性の信頼を得ている部分も多々有る訳で、トラブルの火種になる自分の男を同じ屋根の下に引き込むなんて言うのはちょっと検証が浅いかなと。
勿論、もっと深い事情や黒い部分があるかも知れないけど、個人的に思うのは、簡単に茶化して触れていい所では無いかな?と思うんですよね。
単に色眼鏡で見るのではなく、下心を心の奥に隠して礼節を持って触れる事が正しい色街文化との触れあいかなとw
それが解らなければ、遊郭を「料亭」とし、遊女のお姉さん方を「中居」さんとしての自由恋愛の場とする意味は理解できないでしょう。
だから、やるならばそこまでの検証を踏まえて描いて欲しかったかな。
劇中で観ている限りでは、遊郭に働く意味と意図が限りなく薄いんですよね。
また、水野さん演じる茂の「女師」としても薄い、最後もちょっと尻切れトンボ。
和田瞳さん演じる一美が何故かヤクザを庇うかの様に自身が茂に刺されるのも謎。
お店の前でお客を誘い込む、通称「やり手ババア」もなんか若くて、全然ババアじゃないw
ストーリーや演出も結構ツッコミどころが多いんですよね。
面白かったのは商店街での呼び込みでウルトラ○ンならぬウルトラマソw
大阪ならではのパクリキャラクターであるにしても、劇中で出すか?と言うのと、元教え子の襲撃シーンでの登場。
思わず笑ってしまいました♪
また、元教師だけど、現在は遊女なのに、元教え子が求婚して来たと言うのが面白い。
このエピソードを膨らまして欲しかったなぁ。
風俗や風俗文化、色街文化を舞台にした映画は沢山ありますが、個人的に印象に残っているのは二谷英明さんと秋野暢子さん主演の1986年の映画「片翼だけの天使」。
吉原遊郭を描いた五社英雄監督の「吉原炎上」。
タイトルだけで今は多分放送出来ない、梅宮辰夫さん山城新伍さん主演の「ポルノの帝王 失神トルコ風呂」w
にっかつの初期ロマンポルノの傑作として未だに語り継がれて、大阪の西成を舞台に若き売春婦の物語を描く「(秘) 色情めす市場」。
性をテーマにしながらも、そこに織り成すドラマが面白いんですよね。
だからこそ、もう少しきちんと描いて欲しかったと切に思います。
今から約2年前に不定期放送で特集された「マツコが日本の風俗を紐解く「かたせ梨乃が進駐軍の前で踊り狂った時代…マツコ」」と言う番組があったんですが、これが個人的にはかなりブッ込んだ中身と作りでしたが、とても素晴らしい番組で未だに強く印象に残ってます。
様々な風俗の歴史を紹介する中で、早い段階で飛田新地を紹介したのは結構衝撃的でまたその紹介が素晴らしかった♪
遊郭の歴史と遊び方とマナー作法をきちんと紹介していて、使われた映像も飛田新地料理組合の許可を得ている。
いくら夜の12時頃の放送の番組と言えど、"ここまで出来るか?"と言うくらい。
"永く神秘のベールに閉ざされた街"
"夜の訪れと共に「異界」へと姿を変える"
"まるでタイムスリップしたかの様な光景が残っているのは、この地域と近隣との共存共栄が成り立っている証し"
番組で紹介されたフレーズが、もうそれだけて遊郭としての飛田新地を表現してますよね。
だからこそ、ここまでやって欲しかったんですよね。
風俗が徹底した商業主義に舵をきった時から、現代の風俗文化のスタートならば、商業主義に舵をきった切っ掛けと、何処か商業主義に舵を切りきれてないのが現代の遊郭かと思います。
そんな異界の街の男女の物語。
う~ん…ちょっと残念。
でも、個人的にはブッ込んだテーマで面白いと思うし、感想はあくまでも個人的な一意見として捉えて頂ければと思います。
都内では「シネマート新宿」のみの上映で、レイトショーで1日1回のみ。2週間限定の公開なんだとか。
いろんな意味でなかなか観る機会が少ない作品なので、興味がありましたら、如何でしょうか?
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