「【”世界を今より良くしたい!” 若き理想論者達の”些細な心の齟齬”の為に引き起こされてしまった事・・。どのような時でも、理想を持つ事を忘れてはいけないという、当たり前のことを思い出させてくれた作品。】」青くて痛くて脆い NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”世界を今より良くしたい!” 若き理想論者達の”些細な心の齟齬”の為に引き起こされてしまった事・・。どのような時でも、理想を持つ事を忘れてはいけないという、当たり前のことを思い出させてくれた作品。】
ー当初、楓(吉沢亮)は秋好(杉咲花)の、”自分には無い”率直に、他人の目を気にせず、理想を追求する姿に惹かれたのだろう・・、と思いながら見ていた。そして、それは彼女への恋心でもあるのだろうと・・。
だが、ラストに近いシーンで、大学の講義後、楓が秋好にかけた”ある言葉”を聞き、見事にミスリードされたなあ・・、と思った作品。ー
・楓は、最初から秋好の事を自分と同類だが、“青い、イタイ奴”と思われることも意図に介さず我が道を行く人として、憧れも込めて見ていたのであろう。もしかしたら、そこには恋心も少しはあったのかもしれない・・。
・二人で立ち上げた”世界をより良くしよう”という高潔高邁なスローガンを掲げたサークル、「モアイ」が”表面上”就活サークルになってしまう過程で、楓が「モアイ」を去り、秋好の事を”・・・”と表現するのは、彼が如何に「モアイ」の理想を大切にしていたのかが分かるし、それ故彼が取った行動も納得できるのである。
・今作品が、厚みをもって見ている側の心に響くのは、彼ら二人だけではなく、初期「モアイ」の二人がボランティア参加していたフリースクールの瑞希(森七菜)が不登校から徐々に自立していく姿や
後期「モアイ」に関わるメンバー、とうすけ(岡山天音)やポンちゃん(松本穂香)川原(茅島みずき)リーダー格のテン=チャラい男かと思いきや純情な良い奴、「モアイ」が、当初の理念を失っていない事も分かる(清水尋也)の姿がキチンと描かれている事であろう。
皆、夫々の想いを抱えながら、他人との関係性を保つことに汲汲としながらも、懸命に生きる姿にである。
・自らが起こした行動の過ちに気づき、涙を流しながら、全力で秋好の後ろ姿を追いかける楓の姿に救われたし、結果はどうあれ、彼が自らの理想を思い出し、一歩成長したことは間違いないであろう。
■楓の細やかな心の機微を演じきった吉沢亮さんの演技にも瞠目した作品
-今作は、若者だけではなく、万民に響く秀作であると思います。-
<忙しい日々を過ごす中、つい自らの理想(それは、壮大であったり、身近なものであったり夫々であろうが)を忘れがちな中、自らの理想を心の片隅に、いつも保有している事の大切さを思い出させてくれた作品。>
NOBUさん 共感をありがとうございますm(__)m。原作を読んでいた為に 映画を無垢な気持ちで観られなかったことが残念です。でも、映像を通して楓の気持ちが、ハッキリと掴めた事で 原作よりも素敵な作品になっているような気がします。ラストシーンのセリフ同じでも 原作は追い掛ける楓のセリフで終わってしまいますが、映画では 追いついて秋好の顔を見る…までを描いていて まさに 1歩成長を感じさせている点が良かったです!