「2021年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨」空白 stoneageさんの映画レビュー(感想・評価)
2021年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
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鑑賞後、改めて思ったのは、なんだかイソップとかの教訓話のようなストーリーでも聞かされたのかな…みたいな印象…「こんな愚かな人間にはなりなさんな」というような(笑)
古田新太演じる男は、自分本位で、仕事仲間はもちろん家族とすら、まともにコミュニケーションを取ろうとしない。ややというか、かなり暴力的な態度や発言で、分かったような事を偉そうに言って、自分以外を無理矢理ねじ伏せる…そんな男だ。昔堅気なんてものではなく、周りから理解してもらえるような生き方とは程遠い。
そして、そんな生き方をして来てすでに破綻しつつあった彼の人生が、娘の死を前にして崩壊してしまう…遅かれ早かれ、形はどうであれ、いずれこうなったのであろう。
そんな悲しい男が、再生する道を見つけていく物語だ…正直、あまり同情はしたくないが(笑)
しかし、そんな男に巻き込まれて死んで行く人間や、あるいは死んだも同然のような人生を送らされてしまう人間が、この物語にはたくさん出て来る。娘はもちろん、(ある意味)善意ある人々が彼にどんどん巻き込まれていき、あまりに可哀想だったり、その広い心を知って、感動して何度も涙した…ホントに(笑)
ラスト、亡くなった娘の気持ちを少しでも知ろうと、生前やっていた油絵を下手くそながら真似事のように男は始める。そして、たまたま空の雲をイルカに見立てて描くが、娘も同じように描いていた絵を見つけて、彼は少し安堵したような表情を浮かべ映画は終わる…。
でも、それでは遅いのだ。あまりにも遅すぎるのだ。この男は、本当に愚かだ。
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