「健全な?ナショナリズム」マルモイ ことばあつめ taroさんの映画レビュー(感想・評価)
健全な?ナショナリズム
日本への同化政策が徹底されていた1940年代前半の朝鮮で、民族の心である朝鮮語を命懸けで守ろうとした人々を描いた映画です。ユーモアを交えながらも、そのまっすぐなナショナリズムの表出は愚直で美しいものでした。
日本に置き換えると、戦争や植民地支配に抵抗した平和主義者や共産主義者が主人公になりそうですが、そうした人々をナショナリズムと結びつける事は難しいような気がします。かと言って特攻隊員などの戦死者を賛美する映画は、当時の無責任なパワハラ戦争指導者と同質の残酷なナルシズムの発露にしかならないでしょう。この映画のように、純真なナショナリズムを描く事は、日本では難しいのかも知れません。
正直、僕自身はストレートなナショナリズムの表出に乗れない部分もありましたが、上映中、涙ぐんでいる方が何人かいらしたようです。やはり健全なナショナリズムは人の心を打つのでしょうか。
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