わたしのお母さんのレビュー・感想・評価
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オフビートな母の死。 オフビートな葬式。
オフビートな母の死。
オフビートな葬式。
興ざめなレビューになるが、一連の事情から、行政である警察が不審死として扱うので、ここまでオフビートにはならない。。
この位の年齢の娘なら、母親を「母さん」と呼ぶはずだ。「お母さん」とは言わない。つまり、母の死で、娘は成長した。と言いたいのだと思う。
でも、残念ながら、余りにもオフビート過ぎて、睡魔が何度も襲う。
母親の味は中々出せない。母親のカレーライスと餃子は僕にとっては一番美味しい。それよりも美味いカレーライスも餃子も食べた事が無い。
さて、どうしてだろうか?
父母が亡くなり7年経つし、直後でも悲しいとは思わなかった。「次は自分の番だ」と思っただけだ。
30代半ばで三人きょうだいの長女・夕子(井上真央)。 弟夫婦と実家...
30代半ばで三人きょうだいの長女・夕子(井上真央)。
弟夫婦と実家で暮らしていた母・寛子(石田えり)だったが、ボヤを起こしたことから、夕子の方で一時引き受けることになった。
が、明るくて社交的、外面のいい母のことが苦手だった夕子にとっては、しばらくぶりの母親との同居は苦痛だった。
とはいえ、そんなことを言い出せるはずも、もやもやとした思いは募る一方・・・
という話で、ま、それだけの話で、1時間40分以上の長編映画に仕立てるにはかなりの難物。
大きなエピソードはなく、夕子と母親の静かな確執をじっくりとした演技でみせるのだから、映画館の暗闇の中で観るのが適切。
そんな母と長姉との確執にアクセントを添えているのが、二女・晶子(阿部純子)。
もう30歳を過ぎての独り身とあって母親の心配は大きい(この設定自体は古臭いが)。
しかし本人はどこ吹く風。
地味な顔立ちの割には明るくて社交的で、母親の分身のような存在。
母親にとっても二女は可愛いのだけれど、反りが合わないが実は長姉・夕子のほうが可愛くて仕方がないというあたりがなかなか面白い。
長姉・二女・母親と女三人で温泉旅行に出た後、何の前触れもなく、母親が急逝。
茫々たる気持ちが夕子の心に渦巻くラストは、少し『東京物語』を思い出しました。
映画としては悪くないのだが、やはり物語に起伏が乏しく、短編小説ならOKなのに・・・と思わざるを得ないところが惜しいです。
自問自答を多用しすぎる
カット割りが非常に絵になるのはわかるのですが
あまりにも自問自答や自己葛藤のような場面が多様すぎて
もう少し対話や日常の場面があった上でそのようなシーンがあれば
活きるのだがあまりにも多すぎて、とにかく画を観て考えてしまうことが多く
自分を想定して考えてしまい、自分自身があまり親と子で確執があった家庭ではないので
母親にこんな物言いされたら嫌いになって当然だが嫌いになり切れなさや
母親を嫌う自分に自己嫌悪のようなものがあるのか無いのかは行間の世界なので
なんとも言えないが自分の浅い人生で俯瞰に見るには捉えきれない部分が多いため
もう少し個々キャラクター性や物語を観たかった。
遺影を決めるシーンを見て
なるほど、故人の良さげな遺影って遺族がこんな感じで決めるものなのかな?と思い
私はこのままだと遺族もいないから自分の遺影って誰が決めるんだろう?
そもそも葬式ないだろうから遺影も無いのかと思い
少し寂しくなったのでした。
筑前煮vs餃子
母親と反りの合わない長女の家に、小火を出して家を改装中の母親が同居することになる話。
末っ子長男夫婦と共に実家でくらしていた母が小火を出して、暫しのホテル暮らしになるも、嫁の圧に居たたまれず、団地で夫と2人で暮らしている長女のもとに母親がやって来て、というストーリー。
社交的ですぐに誰とも仲良くなってすぐに愚痴をこぼす様にもなる母親と、多くは語らず飲み込んでとりあえず謝ってその場をしのぐ長女という対称的な母娘という感じだけれど、時に母娘は自分が絶対的な態度を示したり、時に娘は同情的な様子を示したり。
そして随分急に当たり前の様にがらっと流れが変わって…。
嫌いな理由はなんでしょう?嫌いなんですか?お姉ちゃんだからを長く拗らせたということで。
母と娘、姉と妹と弟
思い返せば返すほど、1つ1つの行動だったり、言葉だったり、表情が印象に残ってる。
夕子さんの中には「お母さんが好きなのが当たり前」な一般論や「姉だからしっかりしなくてはいけない」と言うモヤモヤした中で「お母さんを好きになれない自分が嫌いだった」のかなとラストシーンで感じた。
急に一緒に住むことになり、実家から母の荷物が送られてきたときに少くなからずとも弟のお嫁さんも疎ましくも思っていたのかなと
その荷物が廊下からリビングに旦那さんが移動してるあたりで、夕子さんも限界を迎え、最終的に喧嘩のシーンに繋がるのだが、それが最期になるなんて映画を観るまでは想像できなかったけど
弟の意向で「母の葬儀を家でしよう」と言った時に、それを受け入れてるあたりはやっぱり母を受け入れられない自分も嫌いで苦しんでいたのかなと感じた。
そうじゃなきゃ、家で葬儀なんて大変なことに賛同したりしないだろうから。
感想はとても難しいけれど、ここまで細かく描かれるのはリアルさがあってすごいなと思う。
【わたしのお母さん】の【お母さん】は誰しも感じたことがあるだろうし、とても近くに感じた。
また本当の家族に見える出演者たちの自然なところも観ていて違和感なくすんなりと入り込んでくるのがよかった。
また映画館に観に行きます。
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