劇場公開日 2020年11月14日

  • 予告編を見る

「スターリンの葬式会場はこちら」国葬 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

スターリンの葬式会場はこちら

2021年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

群衆ドキュメンタリー映画第三弾

スターリンの葬式に参加したような気にれる映画。

前作「粛清裁判」と同じように映像資料をつなぎ合わせ歴史の1ページを紐解いてくれる。
ただ、ひたすらに葬式の進行を追っていくので退屈に感じてしまうかも知れない。
実際、自分は前半で飽きてきた。しかし葬式の参列者とはそうゆうものだろう。

スターリンの事は詳しく知らないものの映画や歴史の授業で大体の人物像はもっていた。この葬儀を見て改めて途轍もない人物なのだなと思った。
英雄と称えられ独裁者と恐れられた男、ソビエト連邦が熱狂した深紅の指導者。群衆の目にはなにが映っていたのだろうか。
本気で悲しんでいる者もいればカメラを気にして悲しみの表情を作る者など様々な思考を想像しつつ、葬儀の様子や党代表の演説を聞き当時の追体験ができたことは貴重だと思う。
卒業式などで校長や来賓の演説を聞いたときのことを久しぶりに思い出した。内容はちがうけれど知らない大人が長々喋ってるシーンはこんな感じだったな~とかしょうもない事や、なんでワンシーン中にカラー映像からでモノクロに切り替わるんだろう?とか余計な事を考えつつ映画は進み、霊廟に遺体を安置して映画終了。最終的には字幕で壮大なオチを告げてるおまけつき。
スターリンの最期を知らなかったので勉強になった。いくら偉大であろうとも、いくら偉業を成し遂げたとしても、血まみれの者にはそれなりの最期が待っているのだなと。
最後に出る字幕は監督が言いたいことだと思うのだが、事実を知らない者からすれば驚きを事実を知っている者からすれば当然の結果を述べているだけなので受け取り方は違うと思うが自分は前者なので素直に驚けたので良かった。

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
最後にセルゲイ・ロズニツァ監督の群衆三作見て思ったこと
申し訳ないが誰がやっても同じような作品が作れるのではないかということ。
伝えたいことは映像からひしひしと伝わってくるのだが、いかんせん映像資料のつぎはぎなので特別個性を出せるわけでもなく、これ自分でも作れるのではと思ってしまった。
編集作業が途方もなく大変だったとは思うが、これを自分の作品でございと息巻くのは難しいのではないだろうか。
ピータージャクソンの「彼らは生きていた」も材料ありきの作品だったが題材が独特だったし復元という意味でも素晴らしかったの対して、ロズニツァは歴史的出来事を編集しただけの印象がぬぐえない。
今後は 「アウステルリッツ」の様な独自性(画的に退屈だったけど)のある作品を期待したい。
謎の上から目線になってしまったが歴史の追体験をさせてくれたことには感謝です見てよかった。

フリント