アウステルリッツのレビュー・感想・評価
全7件を表示
【”ARBEIT MACHT FREI”ナチス強制収容所入り口の前で、半袖短パンの旅行者達が写真を撮っている。”セルゲイ・ロズニツァ監督がダークツーリズムの在り方をシニカルに描いたドキュメンタリー。】
ー ”ARBEIT MACHT FREI”ご存じの通り、”働けば自由になれる”というナチスドイツの強制収容所の入り口に掲げられていたスローガンである。だが、多くのユダヤの民が強制収容所から出る事は無かったのである・・。ー
◆感想
・冒頭から、ダークツーリズムの半袖短パンの人達が、元強制収容所の建物の中、周囲をぞろぞろと歩いている。
夏場なのだろう。
セルゲイ・ロズニツァ監督は、明らかに意図的に夏場にこのドキュメンタリー映画を撮っている。
・映画では、一切のナレーション、テロップは流れない。ダークツーリズムの人達を引率する添乗員たちの声のみが流れている。
<今作は、数年前にセルゲイ・ロズニツァ監督の「国葬」「粛清裁判」と共に劇場上映された作品である。
この作品から、何を感じるかは観る側に委ねられている。
だが、当時この映画を観た際には、可なり不気味な感を抱いた事を覚えている作品である。>
この場所で
働けば自由になる施設
第2次世界大戦中にホロコーストで多くのユダヤ人が虐殺されたが、その場所の一つであるベルリン郊外の元強制収容所を見物する観光客を何ヶ所かの定点カメラで撮影したドキュメンタリー作品。
門には「ARBEIT MACHT FREI」と書かれた看板があり、「働けば自由になる」という意味らしい。
何とも皮肉な看板の前で多くの観光客が記念撮影をしている。これをユダヤ人や関係者が見たらどう感じるのだろう?
戦後75年経ったが、人類の過ちをこれから二度と繰り返さないように、この歴史的事実を忘れないようにし、子供たちに伝える必要が有ると思う。
意義は有ると思うが、作品としては眠くてもう少し何とか工夫出来ないものかと思う。
ある観光地の日常
群衆ドキュメンタリー映画第一弾
前知識なしで挑みましたが、かなりきつい鑑賞でした。
代り映えしない画面、字幕も少なく後半になるにつれて睡魔が・・・
内容はユダヤ人強制収容所が観光地となり、ワイワイガヤガヤやってくる人々を定点カメラで映しただけのシンプルな作品。
かつてここには悲しみや恐怖、絶望が渦巻いていて途轍もなく恐ろしい場所だったはずなのに、現代人は笑顔で記念写真や刑場で囚人の真似をしている。
負の遺産、ホロコーストの悲劇を忘れないために残した忌まわしき施設なはずなのにだ。
ご先祖様に申し訳なくないのか?先人たちの気持ちをもっと汲んで見て回れ!など多少イライラしてしまう。
人々は過去の出来事を忘れてしまったのか、ただのテーマーパークのような存在になってしまった現状を淡々とカメラは切り取っていく。
文字情報が限りなく少なく画面も同じような感じなので鑑賞中はひたすらに考える時間があった。
当時の収容所囚人や関係者が見たらどう思うだろうか、平和になった時代に喜ぶのか、危機感を覚えるのか。
そして自分はどうだったろうかと
観光地に行った時にその当時の事を詳しく調べたり過去の人々の苦労などに共感したりしていただろうか。
この映画の観光客と自分が同じなのだと気づく。ただただ目に映る物だけを追って表面だけしか見てこなかった。
記念写真を撮ったり不謹慎なことをしていたかもと思うと恥ずかしくなった。
平和な時代に生まれ戦争を知らない事はいいことだと思う、多大な犠牲と努力によって得られたものだから。
これからも平和を維持しするために歴史を忘れないようにと気づかせてくれる作品でした。
狙いは解るのですが
全7件を表示