劇場公開日 2020年6月13日

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「希望という名の泥船」なぜ君は総理大臣になれないのか kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0希望という名の泥船

2020年12月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 17年にわたる記録というのは、ドキュメンタリー映画としても小川淳也の成長過程がはっきりわかり、面白いものだ。地元でもそれなりの人気があり、2017年の選挙では地元新聞の息子が相手であっても接戦を演じて見せた。見てる人は見てるんだよ!と、香川に住んでいたなら投票したくなるような人物でした。

 東大から官僚のへと出世コースがあったのに、その中にいては日本をよくしたいという思想が伝わらないから政治家の道へ。51%と49%の得票率では、真の民主主義なら49%の責任までもを背負っていかねばならないのに、実際は51%が51%の人のためだけに政治を行っている。なかなかいいことを言う。単純な多数決じゃ民主主義の一つの方法にすぎませんからね。

 政治や選挙活動の仕組みなど、以前観た『選挙(2006)』では自民党の落下傘候補についてしか描かれてなかったので不満が残った。また、時代は比例区と選挙区の併用性。選挙区で落選しても比例区で復活当選というものがある。しかし、比例区での政治家は発言力がないといった負い目もあるそうな・・・国民の目からすれば、どっちでもいい。とにかくしっかり働いてくれればいいと思うのだが、本人としてはプライドもあるだろうし、頭が上がらないのはつらいのだろう。

 また、心に残る言葉「8割が我慢、1割が辛抱、そして残りの1割は忍耐」があった。彼の慎ましい生活の様子を見ると、そのままだった。「父親がいなくても娘は育つ」は言い過ぎだと思ったけど、それだけ国政に身をささげている証拠。民主党時代に果たせなかったこともちゃんと反省しているし、民進党解党の後は無所属で出馬するかどうか・・・だったが、ここで失敗。

 選別・排除という小池さんのやり方なんて野党を分断するのが目的なんだから、一般人から見てもわかりやすいのに彼は乗ってしまいましたね。個人的には以前勤めていた会社の組合が連合の傘下だったのに、それも分断されていた。どっちでもいいけど、連合もズタズタにされちゃいました。

 そんな無名だった小川淳也。2019年の国会での質問は歯切れもいいし、鋭かった。50過ぎたら政治家を辞めるなんて言わずにもっと頑張ってもらいたい。本を書いて啓蒙活動するのもよし。どっちでもいい・・・とにかく、こんなに早く放映してくれた日本映画専門chに感謝!

kossy
こころさんのコメント
2020年12月10日

kossyさん
コメントへの返信有難うございます。
確かに 🤔
何かしら支援する強い理由が無い場合、どの政党に所属しているかは重要ですよね。政党で政治は動いて行く。

こころ
こころさんのコメント
2020年12月9日

kossyさん
強い志を持つ故の苦悩が伝わってくるドキュメンタリーでした。
コロナ禍で財源が目減りする中で、政治家の皆さんには、正しい判断をして貰いたいですよね。あべのマスク、着けている方を未だに知りません。。

こころ
NOBUさんのコメント
2020年12月9日

今晩は。
 お久しぶりです。
 魑魅魍魎が跋扈する政界及び、私が所属する企業も似たようなものですが、自分の信念、理想を貫き通す難しさを、大島新監督が長年に亘り追ったポリティカルドキュメンタリーの秀作でしたね。
 今作でスポットライトを当てられた小川さんのご家族(特に二人の娘さん)の父親を助ける姿や、彼のような高邁な意思を持ってはいるが、基盤を持たない政治家が表舞台で活躍出来ない(それは、彼の不器用さにもよるのですが)実情及び、大した事をしていない二世議員が地盤があるがゆえに、トップ当選をする日本の政治風土。(及び、企業風土)
 私が現宰相を(好きではないですが)注目しているのは、地盤がない中、トップに出た手腕(手練手管、根回し・・)をどこまで表舞台で発揮してくれるのやら・・、という点につきます。
 では、又。

NOBU