「【”どうした、ダグ・リーマン監督!”映画業界のシビアさを感じてしまった作品。】」カオス・ウォーキング NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”どうした、ダグ・リーマン監督!”映画業界のシビアさを感じてしまった作品。】
ー ダグ・リーマン監督と言えば、”ボーンシリーズ”で一気に名を上げ、「Mr.&Mrs.スミス」でアクション・コメディも行けると世に認められ、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」で近未来タイムループワールドの秀作を発表し(日本の漫画が原作、個人的に非常に好きな作品である。)その後も小品であるが、緊迫感が尋常でない「ザ・ウォール」そして、再びトム・クルーズとタッグを組んだ「バリー・シール/アメリカ合衆国をはめた男」と米国映画界を牽引して来た人である。
だが、その後余りパッとしなかった映画「ロックダウン」後、久方ぶりに今作が公開となった。
今作は、非常に期待していたのであるが、諸事情(試写会で、余りの評判の悪さに再製作・・。)により、漸く公開。
だが、私の居住区では公開館はたった2館であった・・。-
■パトリック・ネスの小説「心のナイフ」が原作。
出演俳優も、北欧の至宝マッツ・ミケルセンを筆頭に、トム・ホランド、デイジー・リドリーと豪華キャストである。
◆感想
・舞台は2257年、人類が汚染された地球を脱出した”ニューワールド”が舞台なのだが、どうみても地球の田舎のどこかで撮影されている。(カナダだそうである。)
そして、地球脱出の経緯は一切描かれていない・・。
・SF要素は希薄で、フライヤーには”壮大なスケール!””映画史上初の設定によるエキサイティングなストーリー!”とあるのだが、実際に見ると世界観がショボい。
キャスティングで予算を使い果たしたのか、チープ感が濃厚に漂ってしまっている。
・ストーリー展開も、大きな起伏がある訳ではなく、淡々と進む。そして終了・・。
<原作にある、”男たちは頭の中の考えや心の中の想いが“ノイズ”として露わになり、女は死に絶えてしまう”と言う根本設定が上手く映像化されていないし、物語自体も単調である。
ダグ・リーマン監督!今作は無かったことにして、乾坤一擲の次回作を期待してますよ。
それにしても、映画監督の栄枯盛衰を少し感じてしまった作品である。>