「じわじわくる。」海辺の家族たち キッスィさんの映画レビュー(感想・評価)
じわじわくる。
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フランス南部の田舎で暮らす、介護が必要な父親のもとに兄弟が集結する。
その田舎でリーズナブルなレストランを営む長男
働いていたところをクビになり、物書き業も頓挫している次男
女優で娘をその田舎で溺死させてしまった傷を負う長女
父親の面倒をみる隣人夫婦と医者の息子
そして次男の才能にほれ込んでいたものの、隣人の息子に鞍替えをする若い女
これは父親を看取ることをテーマにしているのではなく、兄弟それぞれが田舎ののんびりした中で新しい生き方を模索していくことに焦点を当てている。
地元の漁師に求愛されて戸惑うものの、それを受け入れたり、
若い医師と波長が合い、ロンドンで再会を誓ったり、
新しい動きもあるなかで、難民船が漂着し、子ども3人だけが発見されて保護する。
保護した子どもを通して長女と漁師の絆が深くなり、難民問題もさりげなく私たちに問いかけている。フランスは難民を多く受け入れている国ではあるが、はやり全員という訳にはいかない。それなりの審査を経てでないと難しいだろう。そのことも示唆している。
1つ疑問だったのは隣人が夫婦で自死を選んだということだ。
片方のみが残ることへの恐怖と書置きがあったが、ストーリーのなかでそれが他のサイドストーリーと結びつかないように感じた。そのことで若い女との間柄が縮まったが、そのために必要だったのだろうか。
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