ビースト(2019)のレビュー・感想・評価
全3件を表示
韓国ノワールの佳作。
登場人物が多く、人間関係が複雑なので一時期話についていけなかったが、韓国ノワールの佳作だと思う。主人公2人の演技が素晴らしい。犯罪者のアジトへの一斉突入のシーンは迫力があったし、最後の数分のバッドエンディングは実に印象深い。主人公の別れた妻役の女優(Ahn Si-ha)が昔の水野真紀に似ていると思った。
【出世欲に憑りつかれた且つては相棒だった二人の刑事が対峙する顛末を、大量監禁虐殺事件や情報屋の裏切りを絡めて描いた作品。二人の”魚が死んだような目”が印象的な韓国ノワール映画。】
ー ハッキリ言って、観ていて気持ちの良い作品ではない。冒頭から女子高生誘拐殺害事件から始まり(で、グロイ)そこから、ハンス班長(イ・ソンミン)が犯人として挙げた男が)”自分が殺した。”と言いながら、真犯人は別に居た展開がやや粗い。
更にハンスと課長の座を狙うミンテ班長(ユ・ジェミョン)がその事実を暴き、追い詰められたハンス班長が情報屋のチュンベ(チョン・ヘジン)から交換条件付きで得た情報で真犯人の居るアパートに突撃するが・・。ー
◆感想
・この映画を映画館で観たら、どうだったのかなあと思うが、多分同じ感想だろうな・・。
・同じ刑事である妻を持つハンス班長は、刑事の仕事を辞めたいと思っておりながら(で、眼が死んでいる)且つての同僚ミンテ班長と、課長の座を争っている。
ー だが、どう見ても彼は課長の座を死に物狂いで狙って居るわけではない。では、正義感溢れる刑事かと言うとそうではない。冷静なミンテ班長との違いが浮き彫りである。ー
・ハンス班長は、刑事としては許されざる情報屋のチュンベにも良いように利用されて、チュンベの復讐に、結果的に加担させられている。
・女子高生誘拐殺害事件に端を発する猟奇的大量殺人事件の真犯人の件は見応えがあったかな。当初犯人とされた男の実父、チェ・クンシクの恐ろしき姿。
ー 糖尿病を患う彼が、動物薬局店を襲うシーンや、ハンス班長の”賢い妻”を襲い、大量虐殺事件と同じように妻を殺す際の音を記録するシーン等、不快である。-
・そして、ハンス班長とチェ・クンシクの一騎打ちのシーン。
ハンス班長はチェ・クンシクにサクシンフリンを撃たれつつ、彼に向けて何度も銃弾を叩きこむのである。
<ラスト、ミンテ班長が念願の課長に昇進するシーン。同僚だった女性が彼に”殺人課から異動します。殺人課は犯人の上にいる部署だと思ったから・・。と告げる姿と、彼女が最後に言った一言”ハンス班長は応急処置をしていれば、助かったようですよ・・。”
何とも、後味が悪い韓国ノワール映画である。(あんまり、褒めてません。)>
韓国映画らしい…
そこまでやるかという、後味悪さ。方や事件解決のためには殺人幇助までする刑事、出世の為なら邪魔なものを蹴落とそうとする刑事、どちらも堕ちるところまで堕ちていく。連続殺人犯を追う一方、隠蔽工作や騙し合いなど、詰め込み過ぎで、やや分かりづらい。殺人犯のサイコパスさは韓国映画ならでは。
全3件を表示