ビースト(2019)のレビュー・感想・評価
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韓国ノワール
韓国の刑事モノや事件モノが好きなんですが、期待どおりのモノを観せてくれた。
やっぱクオリティが高い。
感服しました。
フランス映画『あるいは裏切りという名の犬』のリメイクで、
同じ骨組みを使いながら違う話を作っています。
同じく刑事同士の対立が中心ですが、ダークで緊張感があり、ハラハラが最後まで続きます。
すごく好みで、かなり良かった。
4か4.5で迷ったけど、少し甘めかな?
85~90点ぐらい。
厳しく評価したとしても、85点以上!!
グレート!!
韓国ノアール
内容がてんこ盛りな感じで、ちょっと拾いきれてない部分があるが、ノアール好きの人にはそこそこオススメだと思う。
人がビースト、すなわち野獣になる過程は恐ろしいほどに単純で深い。気が付いたら沼にハマっていて、抜け出そうとあがいても、もうどうしようもないのだ。
殺人課のライバル刑事2人の出世争いは、1人を野獣に変えてしまう。最後まで救いのない話だった。
ただ、野獣となる役者、イ・ソンミンの鬼気迫る演技がこの映画の肝だと思った。
やっぱり悪!
冒頭から韓国映画らしく、入れ墨だらけのほぼ裸の男性がボコボコにされ殺されたんだろう映像。ただ、ボコボコにしたのは刑事。韓国映画あるあるの悪い刑事か、、、。てことを頭に入れてからの女子高生殺人から始まる猟奇殺人事件の捜査。悪い刑事とはいえ、事件の捜査はきちんとやる。でも情報屋との裏取引をしながら悪いこともやってのける。出世競争に勝ったのは、仲の悪いまともな刑事。
だが、ラストまで観ると、どうもそいつもだんだん染まって行くんだろうな〜な感じ。
やっぱり、韓国の警察はこの映画でも悪よのうっ!
本筋から脱線しておじさん転落
殺人事件が起こり、
その犯人を班の違う二人が追うのだけど、
どう追い詰めて行くか、
そして共闘して行くのかと観てたら、
全く違って、
主人公が自分の情報屋の殺人を隠す事で、
そちらの方に中盤は話を裂くので何がしたいのか
観てて本筋を見失ってしまいました。
もう少し分かりやすくしてほしかったのと、
二人の仲良かった時を見たかったと言うのが
正直な感想。
ただ主人公が堕ちて行くだけと言う感じで、
友情を感じたかったなと思いました。
こう言う堕ちて行って救いのない主人公を
描くのは韓国映画はやっぱり上手いなと感じました。
韓国ノワールは濃厚味
2021年(韓国)監督:イ・ジョンホ
猟奇殺人にのけ反り、警官の悪徳に怒りを覚え、
犯罪者の狡さに震撼する。
グロいエグい、コッテリした映画でした。
犯罪を描くことと、もう一方で、2人の刑事の対立が中心に据えられます。
1班・班長のハンス(イ・ソンミン)
2班・班長のミンテ(ユ・ジェミョン)
かつての相棒だった2人。
手段を選ばないハンス。
知性派で沈着冷静にミンテ。
2人の対立は深まり、もはや関係修復は不可能。
韓国は恨み(ハン)の国と聞いたことがあります。
チクられて、ハメられて刑務所へ送られたチュンべ。
彼女の恨みはハンスを飲み込みハンスを追い詰める。
刑事も黒い。
ヤクザも黒い。
犯罪者は救い難い!!
「警官の前世はヤクザ」の台詞が、共感を呼ぶ。
2人のオッサン刑事。
イ・ソンミとユ・ジェミョンの演技が驚異的だった。
心底「闇に沈みたい時」にご覧ください。
娯楽大作をみんなで共に観るということ
そういえば、子供のころ、父親に連れられて三船敏郎とかの荒っぽい映画も観ましたよ。
ヤクザ映画を観た客は、肩を怒らせて、左右に振って小屋から出て行きます。(右肩と右足が一緒に出るね)。
ブルース・リーのカンフー映画なら、友だちに飛び蹴りや空手チョップを食らわせながら「アチョー!」っと帰っていく中高生。
映画は、観る者を変身させる不思議な装置。
普段こうしたバイオレンスものとか、刑事ものとか、あまり見ない自分、
とにかく韓国映画は、ピンからキリまで勢いがあることは確かですね。
本欄、レビューが大変少ないですが、暴力映画初心者のきりんが渾身のレポート させて頂きます。
アジアン・ノワール。
正義も悪もなく、強い者だけが(悪運の強い者だけが)生き残る世界。
劇中で「警察官は前世はヤクザだったので生まれ変わってそれを償っているのだ」との意味深いお言葉が語られるのですが・・
しかーし、誰ひとり生まれ変わっていなくて全員泥沼。まんま暴力団。悪の底無し人間でした。
説得力なし。美しさはなかった。
とにかく
お薬とピストルを遠ざけて、ああいう刑事さんのご厄介になることがないように、そして危険なアパートに間違っても引っ越すことのないよう気を付けようと、わたくし学ばせて頂いた次第です。
= fine.=
・ ・
映画館、塩尻市の東座での夜の上映。
たった一人で貸し切りで、いつもの席に陣どり
「誰も来んねー・・」と思っていたら、玄関からなにやら重たいものをずりずりと引きずるような物音がする。
ロビーの裸電球の光が何かに揺れている。
黒い影の塊が動いている。
入口のスロープの壁面に何かが写って近づいてくる、
それは、
八十は越えておられるであろうおばあ様方が三人、両脇を抱えられて、上映開始時間を待たせて入場をされたのでした。
えっ?なに!?
死体のバラバラ解体シーンとか、血を洗うホースとか、肉片と髪の毛とか、泥から半分見えている死人の顔とか、惨殺の悲鳴とか・・
高齢者が見てしまって大丈夫だったのでしょうか(汗)
「G指定」なので別に小学生でもOKなわけですが、今宵の客層こそがもっとも異様で ノワールな夜でした。
帰宅後、あのおばあ様方が暴れてテーブルやタンスをひっくり返し、嫁や息子に椅子を投げつけていないか、心配です。
後半はそれなりなんだけど…
元のフランス映画は未鑑賞。
韓国のサスペンス映画は表現という点でかなり攻めていて、さらに脚本もしっかりしている印象がある。だから少し期待してしまったが、そうそう当たりは出ないということだ。
前半の展開が遅くて、退屈してしまった。状況説明と人物紹介でかなり時間を取られた感じだ。
ところが後半になると俄然盛り上がってくる。犯人を追いつめるところ、黒幕や裏切り者がわかるところは結構緊張感のあるシーンだった。そして「セブン」のような胸くそ悪い展開もあったりして。ところどころがんばっていた印象はあるが、全体としてはあまり高い点数にはできない。韓国のサスペンス映画といえども、そうそう当たりは出ないということだ(大事なので2回)。
元ネタを予習してから観たが、原型を留めてなかった。
韓国映画の得意とするアクションや猟奇殺人の描き方は見応えがあったが、元ネタは警察内の対立がメインだったのでまったくの別モノだった。
2人の刑事の対立、どちらも自分を守る事に必死でややみっともないもんだか、義理も人情もなくどこに焦点を当てていいんだからわからなかった。
クラクラシビれる
クラクラするほど振り回されて、シビれるくらいに刺激的。冒頭からストーリーがどっちに転がってゆくのか、まったく予想もつかないが、どっちに転がっても決して良くなることはないという正に韓国流ノワールの面目躍如。
ハリウッドではもうこんな映画を作れないのだとしたら、韓国の地位も安泰ですね。
しかしそれににしてもイ・ソンミンの芝居が凄い。鬼気迫るとはこのことかと思わされた。
(原題)비스트
前半後半と違う人が脚本書いたんじゃないかと疑いたくなる位まとまりがなく、説得力も足りない、消化不良なまま終わった。
久々に重苦しい韓国映画を観たけど、イ・ソンミンとユ・ジェミョンの演技合戦で押し切られた感あります。
それに加えてチョン・ヘジン。
泥仕合
女子高生が殺害された事件を追う、元相棒で現在はいがみ合う刑事達の話。
腕や手首を落とされた上に血が抜かれ、更にはお薬の痕跡もという状態でみつかった行方不明となっていた女子高生。
元相棒でそれぞれ捜査1班と2班の班長という刑事が課長昇進をちらつかされながら事件を追うストーリー。
方や情報屋の策略に嵌められ殺人の片棒を担がされ、方や容疑者を死なせてしまい、とキレイな捜査が出来ない2人。
自分の失敗の隠蔽に奮闘したり、相手の失敗を曝こうとしたり、っていうとまるでコメディみたいだけど、至って真面目なノワールです。
ホント韓国映画の警察の位置付けってw
裸の刺青野郎の拉致という仕事意外のところでのプンプン匂うプロローグに始まり、あまりにも色々とグチャグチャで、詰め込み過ぎていて少し面倒臭さはあったけれど、黒さとスリリングさは好みだったし、なかなか面白かった。
今週の韓国映画枠ですが、かなり評価は割れそう…。
今年144本目(合計208本目)。
大阪市で韓国映画が見たいなと思ったらシネマート心斎橋さんですよね。ということで「燃えよ剣」が終わって45分違いでそちらに。
さてこの映画、紹介にあるように、もとのフランス映画があるようです。それは見ていないのですが、観ていなくても単体の作品として楽しめると思います(公式も「大胆にチェンジして…」とありますし)。
現在では、大阪市など大きな都道府県がメインのようです。
内容は刑事もののアクションもの+推理もの(一部、誰が真犯人なのか?という点が二転三転する)という形になるでしょうか。あとはホラーものにもなろうかと思います。それを足して3で割ったもの(やや、推理色が強いが、この人怪しいでしょ?というのは簡単にわかるが、それをはるかに超える二転三転する展開が待ってます)という形になろうかと思います。
ところがこの映画、G指定なんですよね。つまり、誰でも見られる映画なんです。
とはいえ、かなりグロテスクな表現が多く(傷口の描写や流血表現など)、PG12どころかR15なんじゃないか…と思っても、どうもG指定のようです(シネマート心斎橋さんでもそうなってます)。そのため、かなり人を選ぶかな…というのはどうしても否めません(私も若干ながらめまいがした…)。
※ もっとも、シネマート心斎橋さんで観る限り、ドリンクと、飲食物はお菓子(韓国系お菓子も若干ある)だけで、フライドポテトだチキンだ持ち込めませんので、そこは救いです(チキンとかあったら本当に怖いです…。言わんとすることはわかりますよね…?)
お話の筋自体も、このような事情で130分とやや長めなのですが、あれもこれもいろんなものを入れているため、お話の筋がものすごく多く(ただ、一連の事件を暴く、警察の刑事課、という点は共通している)、とにかく最初から最後まで色々な事件を入れているので、何がどうなっているのかわからず混乱する類型もあるんじゃないか…と思えます。
(ただ、一部を除いて時間戻し描写はないので、そこだけは救い。それも出てくると、本当に理解不能になっちゃう)
一応、映倫の指定上はG(一般)指定ですが、最近ですと、「死霊館 悪魔のせいなら、無罪」(こちらはR15)くらいの描写は覚悟したほうが良いです。
※ 一応にもホラー映画扱いであり、いわゆる「大人の営み」のシーンはありません。
採点ですが、上記をいろいろまとめています(二捨三入で4.0まで切り捨てています)。
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(減点0.8) 「とにかくG指定とは思えないほどにグロい描写が多い」こと、さらに「いろいろな話題が出てきて、一つの話に集中できない」ということはあるかと思います。どちらもかなり大きなところで、G指定だからってカップルで「もう10月だけど暑いときもあるし、ホラーでも見に行こうか?」ってなると、結構これはきついんじゃないかな…と思います(大人の営みのシーンはないものの、結構描写は厳しい)。
後者に関しては、「韓国版では原作を大胆に翻案」ということは、やはり元の作品もそうなっているのでしょうし(まあ、1つ程度は韓国版オリジナルの「事件」が入っているとしても、7割8割あることないこと入れてると、「大胆に翻案」どころではすまない)、そこは仕方がないのかな…と思います。
とはいえ、原作がある以上それを無視することはできませんし、130分と比較的長い間に、いろいろな事件を扱ってマンネリ化を避けた(韓国は、日本と同じように警察の捜査水準は高いですから、一つの事件だとすぐに調べておしまい、ということになる)とも思え、「色々な事件が出てきて混乱する」というのは、逆に言えば「飽きさせない展開に大胆に翻案した」とも思え、積極的な悪意ではないと思いますので、この程度にしました。
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※ なんばパークスシネマさんで「1回無料チケット」があたったのですが、何を見に行こうかな…。
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