「いつ死ぬのかは知りたくないのだが、知らされたらちょいと困る。」グッバイ、リチャード! はるさんの映画レビュー(感想・評価)
いつ死ぬのかは知りたくないのだが、知らされたらちょいと困る。
余命180日だと知らされた凡庸な大学教授をデップが演じる。大いに足掻き倒す。絵に描いた未練たらしい中年オヤジのカッコ悪さを必要以上に演じ倒す。終始酔っ払いのくちぶりに、その毒舌ぶりには閉口させられたけれど、しかし、どうだろう?あり得る言動や行動だと痛切に感じ入ってしまう。
人はある日突然死ぬのが一番幸せなのだと思う。そう、気が付いたら死んでいた。。。。というのが幸せなのだ。リチャードもきっとそう思っていた。しかし、知らされてしまった。医者という輩は無責任な人間がなる職業なのだ。「死」が特別な事柄にされてしまったのはいつからなのだろう。ある解剖学者が言う。この頃世間では人は病院で生まれ病院で死ぬ。日常から完全に切り離してしまい「死」は異常なものとして取扱い、思考させないように厚い蓋をしてしまったようだ。
「死」を考えることは大切なことである。それは、いかに生きるかを考えることなのだからだ。
そこに辿り着こうなどと思ってはいけない。そこなど何処にもないのだ。一瞬一瞬の不思議を感じ取り、解明するために全力を注ぎ、黄昏ばかりを求めず、朝の光りに身を晒すことが必要なのだ。
今のこの世間だからこそ、この映画は存在感を増すのだろう。
特に、若い人たちは深く考えた方が良い。
イタリア人は、「人生は底を打ったら、底を掘ればいい・・・・」と言うらしい。
名言である。
今晩は
今作のジョニー・デップの飄々とした可なり風変りな教授を演じる姿は、何だか好きでしたね。
本日、ジョニー・デップの主演の映画を映画館で観たのですが、彼の方は実はコメディ要素を少し塗した映画が合っているのかなあ、などと思いながら映画館を後にしました。では。