ブレスレスのレビュー・感想・評価
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SMって良いものなのか?
水難事故で妻を失った医師のユハが娘のピアス穴あけに付き合った際、たまたま地下のSMクラブを覗いたら、Sのモナに首を絞められ、窒息寸前の状態の時、死の直前の妻が現れた。
ユハは死んだ妻にまた会えると、SMクラブに通いだし、次第に激しさを増していき・・・という話。
SMの事をよく知らず、楽しさがわからないから、コメントしにくいけど、人によっては良いものなのだろう。
娘の舌にピアスを開けるのに付き合う父親ってフィンランドでは一般的なのだろうか?
ユハは手の親指の爪が黒くなってるので、麻酔もかけず爪を剥いだり、モナに歯を抜かれるシーンなど観ていてゾワゾワした。
で、これなんだったんだろう?SMって楽しいよ、って事なのだろうか?苦痛が快楽になるって事なのだろうか?
最後もユハは幸せそうだったから良いんだけど。
難しい。
満たされない欲の正しい埋め方
水難事故から妻を失い数年がたった今でも妻の思いを忘れられずそして苦しみもがく主人公。
仕事は医者で娘との関係も悪くないように見える。広い家も持っており世間的には環境に恵まれた家庭の一つであろう。ただ主人公自身が中々立ち直れないこともあってか幸せな雰囲気はない。
ある日娘の舌ピアスを開けに行ったところでSM嬢と出くわし、そこからSMの世界に落ちていく。
水難事故の際に妻を助けようと主人公自身も溺死しかけた事も関係してか執拗に首を絞められる事を求め、窒息しかける事を求める主人公。
それに激しい興奮を覚えてしまった矢先には仕事や娘との生活は後回しになりどんどん周囲が見えなくなりSMプレイに溺れていく。
最後は立ち直るきっかけを見せかけたが最終的にSMの世界に戻るところで話は終わる。
この作品の主人公は妻を失い何をしてもその満たされない心、欲に悩まされてきた。そのきっかけをSMの世界で満たされるわけだがこれが果たして幸せなのかどうかはわからない。
死さえ求めてきた主人公の過去からすると生きる希望を得ることだけでももしかしたら幸せなのかもしれない。
満たされない欲は時として狂気を生む事もある。満たされない欲を放置すれば、時間が経てば経つほど満たされにくく狂気じみてくる。
この作品はその一例として楽しむ事ができた。
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