「時を超えた歌の力」タゴール・ソングス ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
時を超えた歌の力
欧米人以外で初めてノーベル文学賞を受賞したベンガル地方の詩人、タゴールに魅せられた日本の若い映画監督がインドとバングラディシュのベンガル地方を旅するドキュメンタリー。タゴール本人についてのドキュメンタリーというより、タゴールの詩と音楽が人々に与えた影響、その歌の魅力に見せられた現代の人々の想いを綴る内容だ。バングラディシュの国歌の作詞もタゴールによるものだそうで、向こうでは知らない人はいないらしい。若い女性が家父長制の不自由をタゴールの詩の精神でもって親世代に反論するシーンは、タゴールの詩の精神性が草の根で根付いていることを実感させてくれる。
日本とバングラディシュの混血の就活中の女性とバングラディシュからやってきた女性が、日本で出会い友情を育むシーンが良い。時代も国も超えて人と人をつなげる芸術の力を感じさせてくれる。撮影技術も高く、美しいドキュメンタリーだ。
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