「バブズがハロウィンでバズズとなる」SKIN スキン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
バブズがハロウィンでバズズとなる
白地に黒なのでパンダの仮装なのかと思ったのですが、バブズ(=ブライオン)の名前からしてバズズを連想してしまいました(ドラクエに登場するモンスターです)。この時点ではまだまだ悪い奴だと思ってた。
ショートバージョンの興奮が冷めやらぬまま、長編をじっくりと鑑賞。全然内容が違うことに驚き、どんな結末を用意してくれるの?などと期待は高まるばかり。とにかく、白人至上主義者たちはヘビメタがお好き。スキンヘッドがお好きということはわかります。また、KKKのみならず、ネオナチも大好き。行進するときも「ハイル、ハイル」と声を張り上げます(記憶違いかもしれません)。
主人公はジェイミー・ベル演ずるブライオン。右目の矢印タトゥーが印象的で、体中タトゥーだらけ。一度逮捕されるが、取引を持ち掛けられ、釈放される。それに目を付けた反ヘイト運動指導者のジェンキンスは彼に近寄るのだった。暴力に対して暴力では際限なく復讐の連鎖が続くだけだ。復讐ではなく人間そのものを変えることが大切だ・・・
短編にも登場していたお母さんダニエル・マクドナルド。おかげで繋がってるのかと思い、混乱しました。3人の娘たちが演奏する曲に対してもレイシストたちはヤジを飛ばすし、ムチャ腹が立った。音楽でいえば、カラオケ(?)でレーナード・スキナードの曲を歌ってるし、やっぱりサザンロックもレイシストたちに愛されてるんだなぁ・・・ちなみに「スウィート・ホーム・アラバマ」なんてのも差別が消えない南部の実態を歌ってる(賛否両論あり)。
見終わって感じたのは“人間性善説”。ジェンキンスの方針がそうだったこともあり、単純な復讐ストーリーにはせず(実話なのだからしょうがない)、レイシストの本質を変革するという大胆なものだったこと。“SKIN”の意味も人種の皮膚と、TATTOOの皮膚のことのダブルミーニングだったのだと感じた。それにしても600日もかかるのね・・・