「後悔先に立たず…」SKIN スキン shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
後悔先に立たず…
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人種差別を貫いたところで、何も得るものはない。むしろ、延々と負の連鎖が続くばかりだ。この映画の主人公の出自は悲惨である。親の愛情を受けることなく、ネグレクトと暴力の対象とされ、そこから逃げ出したところをレイシストに救われ、初めて愛情を注がれるともに人種差別的な思想も刷り込まれて、極端な人格を持った人間を生む。不幸でしかない人生環境だ。それでも、自らが愛を育むべき女性とその連れ子たちと出会い、自分がどうあるべきか、どうなるべきかを思い知らされる。ここからの展開が映画としてはありきたりではあっても、心を打たれる。ある組織を抜けるということ、そして一般的な社会生活を送るということは並大抵のことではない。当然、その環境の変化に対して、これまでの自ら犯した罪を償わなければならない。昨日まで敵と見做していた黒人によって主人公は助けられた。やはり、自らが望めばやり直せる環境は絶対になくてはならない。成熟した社会であればこそ、なおさらチャンスは幾らでも転がっているような環境であるべきだ。望めは人は幾らでもやり直せるし、自ら180°違った人生と人格をてにすることが出来る社会こそが、私たちの幸福を生み出す。親鸞の言わんとする意味がとても現実的な実感を伴って、鑑賞することが出来た。
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