「カルチャーショックを受けた…」ハニーランド 永遠の谷 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
カルチャーショックを受けた…
すごく見応えがあり見入ってしまうのだが、真剣に見れば見るほどカルチャーショックを受け心が不安定になっていた。
もちろん日本、そして自分が育ってきた環境があまりにも平和であることを実感させられるかるこそこの作品で映し出される生活に強くカルチャーショックを受けるわけだ。
まずは主人公の女性の母の姿に驚かされた。顔の上半分はもうすでに腐った状態である。あの状態がどれくらい続いてるのかは分からないが、それでも85歳まであの環境下で生きてきたわけだから人間の生命力に感心させられる。
そして蜂蜜を取る姿だが、防護マスクを着けるときもあれば着けなかったり。そして基本的には素手で取る姿はあまりにも驚いた。主人公の女性だけではなく、隣人のトルコ人家族もまた同じような姿を描かれ、そこにはまだ10歳にも満たなさそうな少年や、5歳にも満たなさそうな少女達も同様に蜂に挑み、顔や体を蜂に刺されても普通に生活している事に驚かされた。
特に彼らトルコ人家族の姿を見ていると不安な気持ちでかき立てられる。
親牛に蹴られたり、踏みつけかけられたり、川では溺れかけたり…かなり危険と隣り合わせの生活をしているのが映し出される。その度に子供たちの身が心配になり不安な気持ちで一杯になるのだが、彼らにとっては生活の一部でありまた生きる為には当たり前の事なのだろう。
ここに挙げた以外にも日本では、そして自分自身やその周囲の生活の在り方では想像もつかない姿が終始描かれている。
僕自身はこの作品を見てもちろん何より今の生活に感謝の気持ちで一杯になったのがなによりだが、同時にカルチャーショックを受け少し気分が悪くなってしまった。
この作品をみて色んな感想、思いが各々あると思うが、僕自身はこういう作品をみると今の生活において、小さなことでも感謝の気持ちで一杯にさせてくれる。
そして感謝の気持ちの先には必ず豊かな出来事が待っているような気がする。そういう点においてこういう作品を見ると自分自身を豊かにさせてくれる非常に貴重な時間を過ごせたと思って劇場を後にした。