佐々木、イン、マイマインのレビュー・感想・評価
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青春時代の想いは感じるが
個人的な想いを詰め込んで丁寧に描いて完成させた関係者達のエネルギーは真摯に理解できますが、面白かったか?と言われたらかなり微妙。
佐々木の描き方も気性の激しいチンピラ風だし。
陰湿なイジメや無意味な暴力シーンが無いのは好感を持ちました。
キッズ・リターンを見直したくなる。
佐々木が映す陰と陽、彼らにイン、マイマインされるときの衝動は今年ベスト級
文句なしの傑作!令和に産み落とされた、最高にロックな人生賛歌!咽び泣くほど眩しかった!
石井は、何もかもがとっ散らかった売れない俳優。元カノとだらだら同棲し、俳優の理想論に苛立ちを覚えていた。そんなある日、佐々木を思い出す。バカでどうしようもないほど眩しい、佐々木。そんな太陽が誰にでもあり、かけがえのない日々がいかに稀有だったのかを思い出す。地元を出てから会ったのは、わずか一回。それでも心にはいつも佐々木がいた。しかし、画面に映るのは、可笑しくて仕方ないほどに暴れた学校と、暗いリビングで息をするだけという、佐々木の対比。故に、見えて来なかった佐々木の「陰」を石井は知らない。空白となっていた佐々木の10年と、変わっていったそれぞれの境遇の3人に、佐々木が降り注ぐ。流れる音楽にスクリーンいっぱいで暴れまわる佐々木は、間違いなくロックで、掻き鳴らす。そう、誰もなれなかったあの頃の青春を。
ラスト10分、私はスクリーンにがっつき、咽び泣いていた。そんな僕に、佐々木が煽ってくる、全裸で。私も拳を挙げて叫ぼうじゃないか。自分自身のためだけの、人生賛歌のために。佐々木!佐々木!!佐々木!!!
苦痛でした
佐々木という名の青春
佐々木コールが頭から離れない
これだけストレートに熱を感じる青春映画なかなかないと思う。
キャストは皆良い味を出していて、中でも佐々木を演じる細川岳がすごい自然で良かった。
映画全体的には乾いた荒っぽさを残してて、それがまたこの世代にフィットしていました。
カメラも荒いようで、カット事にはすごい綺麗だったりと何だか奥行きのある絵。
全編を通して、この世代の匂いというか空気が感じられ、それが懐かしくもあって実に心地良いんです。
線路沿いを4人で駆け抜けるシーンなんか最高でしたね。
ただバカやってるだけでなく、そこにはチリチリとした気持ちやもがき苦しむ様もきちんと描かれていて目が離せなくなります。
佐々木の「好きなことやれよ」の言葉の後の涙はすごい刺さりました。
ラストは何じゃこれを通り越して、もう物凄い爽快感です。
そう、佐々木は泣いて欲しくなんて無いんですよね。
最後の最後までみんなの背中を押してくる佐々木には、スクリーン越しに自分もコールを送りたくなりましたよ。
しばらくは佐々木コールが頭から離れそうにありません、本当に良い作品を観ました。
どうなんですか?
この手の映画は多くあるがこの作品は何が描きたいのか分からない。佐々木になんの魅力があるのか?魅力のない人物に魅せられているキャラクターたちだから意味が分からない。ただ混乱するだけ。映画は基本は守らなければいけないと思う。馬鹿だけどどこか愛すべきキャラクターだからこそ感情移入できるのではないか?佐々木にはそれがない。どうにか佐々木のキャラクターを持っていこうと脚本、演出しているが中途半端で失敗。
佐々木の葬式の日に子供抱いて、慌ててホテルに行って恋人と話す。全く意味のわからない脚本。感情がそうはならない。だから鼻について。
ラストの仕掛けはよくある話なだけにハイハイって感じ。
高校生と現代のメイクは絶品です。
この話が書けるのがもうすごい
登場人物の心の動きは解らないんだよね。説明があるわけじゃないし、ありがちな反応でもないの。でも、なんか解る気がすんの。こういう話が書けるのがもうすごい。映画の脚本じゃなくて文学作品でやって良い感じだからね。
そして構成がうまい。「サンダル履いてんのはそういうことか!」と思ったね。
その脚本を演じる役者がすごい。藤原季節ノッてるよね。荻原みのりもそろそろブレイクかという感じ。細川岳の存在感もすごい。遊屋慎太郎も良い。河合優実も良かった。『ナンパですよね』で笑われたら惚れる。村上虹郎、小西桜子ももちろん良い。
解らないから何を観たのか解らないんだけど「何かを観た」気がするの。作り手もそうとう気合入ってるようだし、観たほうが良いと思うよ。
最近コロナもあり見たい映画も少なくなってて、映画熱下がり気味だった...
現代に現れた天使か
ラストの爆発力はgood
魅力的な俳優と女優
普遍性を持った率直さ
真っ直ぐで、1カット1シーンに熱があって、緻密な映画。
その全てに時代や見る人の年齢性別を超える普遍性が宿る。
物語自体は高校時代から27歳までの、山梨と東京を舞台にした男性たちの物語だが、同じような属性にない人が見ても胸を震わすことができるはず(私がそうでした)。登場回数の少ない女性キャストの人物造形がしっかりしていることにも起因していると思う。世間的にはほぼ無名の若手役者達の表現が本当に素晴らしく、それを引き出した監督の演出力や、きっちりそれらをカメラにおさめた技術スタッフの力にも瞠目した。
過去と現在がオーバーラップする構成は、重要なシーンで同じ空の色(時間帯)でつなげられる。戯曲『ロング・グッド・バイ』の台詞もきいて響いてくる。
さようならの連続を生きる私たちは、離れていても同じ空のもとで泣き笑いし、奮闘し、時にくさりながらも、それぞれの生を全うする。さようならの反語のように用いられる青春の明るい場面にこそ涙が出た。
素晴らしいシーンはあった
山梨的な風景の寂寥感といったらない。特に朝焼けのカラオケボックスあたりは素晴らしかった。あの徹夜明けの疲労感に満ちた田舎の朝焼け、そうそうあの感じ。あの感じの別れ、そして、、、そう、青春映画だ。
撮影が『きみの鳥はうたえる』の四宮秀俊とはエンドロールで知った。どうりで。
期待値を上げすぎて見てしまったところはある。『横道世之介』の裏表を逆にしたような展開。個人的には、陽性の中に切なさを感じるタイプなので、逆にこのパターンはそれほど切なく感じない。とにかくカラオケボックスまわりの出会いとその後のシチュエーションはよかった。回想直後の自転車もよかった。同級生の子供を抱き抱え、のところもよかった。
確かにこんな友人がいた。そして知らぬまに、もう会えないことになっていた。リアルな自分の友人のいなくなり方のほうがショッキングだったので個人的インパクトがなかった、ということなのかもしれない。それか前半の主人公の現在のくすぶりっぷりがかっこ良すぎたせいか。
_φ(・_・佐々木の孤独
人生は常に孤独
韮崎ヤンチャーズ
東京で燻る別れた彼女と同居継続中の、26歳売れない俳優のモヤモヤと、高校時代のヒーロー的友人佐々木の話。
後で、そのうちと色々な決断を先延ばしにする主人公。
久々に再会した4人組な一人、多田との会話でも、痛いところを見透かされて不機嫌になる始末。
そして高校卒業以来1度しか会っていない佐々木の話題になると、楽しそうに語りだす。
序盤は現在の主人公の様子を見せ、そこから主人公と佐々木を軸に、ずっと高校時代の4人組の話が続いて行く。
家庭環境的に恵まれているとは言えない佐々木だけど、言うほどヒーロー感は無く面倒臭い感じのヤツだし、そんなに騒ぎ立てる程の人気者という感じもしない。嫌いなタイプじゃないけどね。
卒業後1度会ったときの感じはあまり好ましい感じはしないしね。
コミカルな話なのかと思ったけれど、ほぼそういう描写はなく、燻っているというよりも、まだ燃えてもいない20代の若者の、ちょっと遅い痛みをみせる作品という感じ。
同級生の現状をみて、自分は何をしているのかというヤツね。
ただ、それで言うと佐々木は、比べたら自分の方がましな境遇なのに何やっているんだ的な、半分後ろ向きな比較にもみえて、ちょっとすっきりせず。
こういうモヤモヤした気持ちの揺れをみせる作品は好みだし、面白かったけど、彼女とのことではない、仕事や生き方の部分での成長やもがきがもっと欲しかったかな。
【いつも心に佐々木を】
佐々木は、本当は泣きたかったんじゃないのだろうか。
でも、佐々木は泣かなかった。
泣けなかったのではない。
泣かなかったのだ。
それは、仲間の悲しむ顔を見たくなかったからじゃないのか。
悠二に「好きなことをやれよ」と言った時に流した唯一ひとすじの涙は、好きなことをやれない悔しさからだったのではないのだろうか。
だが、佐々木はその後、日々を無為に過ごしていたわけではない。
ほかにも仲間を作り、
告白して、彼女らしき苗村もいて、
ルールを理解しないバカにはルールを説いて、殴り殴られて、
ゴミ屋敷のような家の中には元美術部らしく絵がたくさん描かれてあって、
バッセンのホームラン王にもなっていた。
最初はカスリもしなかったのにだ。
佐々木は、きっと、自分自身の病気のことを悟り、悠二に連絡して来たのだ。
励ますために、大切な友人の背中を押すために連絡して来たのだ。
卒業して一緒に過ごすことがなくなっても、佐々木はみんなと一緒にいたのかもしれない。
皆んなは佐々木を感じつつも、悠二は、佐々木を少し見失っていたのかもしれない。
だから、佐々木は連絡してきたのだ。
佐々木の人生は強がりばかりだ。
だが、きっと、佐々木は、そうやって仲間といることが一番の楽しみだったのだ。
皆んなは泣いた。
思いっきり悲しんだ。
でも、悠二も多田も木村も、佐々木はそれを望んでいないことに気がついたのだ。
だから、裸の佐々木が霊柩車から飛び出してきたのだ。
佐々木コールだ。
人生は辛いことばかりだ。
だから、佐々木が心の中に居てくれたらいいような気がする。
悠二が一歩踏み出せたように、僕達も踏み出せるかもしれないからだ。
なんか、笑っては泣ける、素敵な作品だった。
観るべし。
佐々木が心に住みついてくれるかもしれない。
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