劇場公開日 2020年11月27日

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「楽しくて、そしてせつない記憶が蘇る」佐々木、イン、マイマイン SHさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5楽しくて、そしてせつない記憶が蘇る

2020年11月27日
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個人的な記憶として、学校という場は、これまで生きてきた中で最も皆が平等で合ったような気がする、優劣とかあったとしても他と比べるとまだマシ─学びという場から離れ時がたてばたつほどそう思ってしまうわけで、この作品を見て、更にその記憶が鮮明になった。
家庭環境とか見た目なんて関係なく、ともにバカをやったし、立場とか気にせず何者も受け入れたし、家が豪華でもボロくてもなんの気兼ねもなく楽しく時間が流れていた─
どんなにつらい環境や立場であっても、誰にでも楽しい時間は確かにある。それが楽しければ楽しいほど、貴重で同時にせつないものになってしまうのだが、だからこそそこから様々な”物語”が生まれてくるのだろう。
自分の中にある思い出とどうしても照らし合わせてしまい、それとの比較でこの作品を評価してしまうというところは否めない。それが完全に一致することなど皆無なわけで、だからといって拒絶するところでもなく、むしろ遠い記憶を色々と呼び覚ましてくれる良作であった。しかしながら、思い起こされることが良いか悪いのかはそれぞれに委ねられるわけであって、そこからこの映画の良し悪しが決まってくるんだろうなぁと思ってしまう。
何はともあれ、内容も映像も演出演技も真摯で真っ直ぐであったという印象でした。

SH