「オレの世界、無敵!」ワイルド・スピード ジェットブレイク とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
オレの世界、無敵!
磁石を使ったカーアクション(というより毎度の街破壊)は楽しいけど、おいドム!弟とのこと、確執。今までそんな重要なこと胸の内に隠して黙ったまま、あんな大暴れして、毎作最後はあんな満たされた感じで"ファミリー"教してたん?説得力ない設定崩壊
今までどうにか後足し後足しで世界を広げてきたけど、そろそろ限界というか齟齬が生じてきたか。というツッコミどころに加え、重力無視!みたいな今までのブッ飛びアクションから、いよいよ今回は行くところまで行き着いたのかより一層フッ切れて文字通り重力の外 = 宇宙へ?シリーズフィナーレに向けて益々のファミリー拡大に、ジョーダナ・ブリュースターやルーカス・ブラック(!)と懐かしい顔も帰還。壮大な落とし前をつけるための念願カムバック!もうこうなりゃ祭りだ!夏映画大作シーズンの火蓋を切るにふさわしい安定のクレイジーパーティー。
それは何もキャストだけじゃなく、今やすっかりシリーズの顔となったジャスティン・リン監督も!明らかにシリーズがブランド化してワンランク上がったのは『Fast Five/ワイルド・スピード MEGA MAX』からで、それ以前の3作目『TOKYO DRIFT』から6作目『Furious 6/EURO MISSION』まで監督していた彼が戻ってくるとは嬉しい。ジェームズ・ワン、F・ゲイリー・グレイと来たときは、これからは同じくブランド化の進むMCUのように、才能ある監督を引っこ抜き起用する方式で行くのかと思っていた。
ポッと出の新参者が主要キャラに格上げされていく中でネオナチ化の進んでいたメインキャストから頭ヴィン・ディーゼルとの確執によってドウェイン・ジョンソンが抜け、代わりの格闘家枠にジョン・シナ。セロン姐さんは今回影薄味。この前作からの歳月の間に世間を賑わせたファミリー崩壊危機的一件で、ヴィン・ディーゼルやはり付き合いにくい取っ付きにくそうクセ強め厄介者(日本で言えば自身の代表シリーズにかける想いとか込みで織田裕二?)なのかと思いつつ、そうやってセロン姐さんがシリーズに出続け、ジェームズ・ガンも起用しているということは悪い人でもないのだろうか。にしてもヴィン・ディーゼルに加え、今回はジョン・シナにそのチョイ役育ての親バディ役マイケル・ルーカーって、もはやジェームズ・ガン"ファミリー"か。
今回も一件落着した後、最後にはもちろんファミリーパーティータイムがあるのだけど、そこが良かったな。初めて映画館で見たのが『TOKYO DRIFT』だった者としては感慨深い。そして彼の服装でそのシーンの平和度測れる(?)ドムによる有り難〜いファミリー説教が聞けるのかと思ったら、最後に…。やっぱりポール・ウォーカーが本シリーズにバランスをもたらしていたところはあると思う(ex. ドウェイン・ジョンソンだって5作目から出ているのに問題発覚はポール・ウォーカー亡き後の8作目←もちろん彼の死によって残された者として製作も兼ねるヴィン・ディーゼルはもっと力が入ったゆえにという部分もあるだろうけど)。
#JusticeForHan
最初の昔のユニバーサルのムービングコーポレートロゴにもワケありな1989年スタート。でも、こういうプロットにする続編モノを見る度に、いや、そんな人生における根本的は悩み・葛藤、モヤモヤ心残りあったら、今までの何だったん?その状態であの活躍してたん?と思っちゃう。それと(自分が見逃していただけだったらあれだけど)気になるのが、あの感じでMr.ノーバディは生きてるのか?そしてまさかの発覚無免許メンバーも?
にしても日本の雑描写。街並みは相変わらずネオンギラギラで、TVはブラウン管?こんなのトーキョードリフトじゃなくてトーキョーザツクソだと思いましたが、それはそれ。なんせハンが出てきてくれたので!正義が果たされた!そしてまさかの裏で動いてた、これまた後付け陰謀を知る(笑)。裏の裏。
あと、今回も安定な2人の掛け合い。すっかりシリーズの中でC-3POとR2-D2のようにコメディリリーフ的愛されコンビな『2 Fast 2 Furious/ワイルド・スピードX2』組で言えば、すっかりネタとしてビビり雑魚イジられキャラ扱いのローマン(タイリース・ギブソン/お前2作目ポール・ウォーカーと二枚看板だったろ!!)よりも、テズ(リュダクリス)がストリートレースの仕切り屋から一転、シャツの似合う数学ナード系メカニックとなって、極め付きは腕っぷしも強いクールキャラになっていることの方がずっとおかしくて5以降だいぶ経った未だに笑ってしまう。「数字は嘘つかない」ってオイオイどうした。スター・ウォーズといったらレジスタンス基地みたいなところで登場するショーン(ルーカス・ブラック)。あと本作には『グリーン・ルーム』『スカイスクレイパー』に次ぐダクトテープ最強映画的側面も?宇宙開発は中国と仲良く協力?
エクスペンダブルズ状態キャストで規模デカくなりすぎ!次はタイムトラベルでもする?ワイスピThe Fast SagaとMCUのブランド化は異常で、例えばこういうアプリの平均スコアを見てみても最近の作品がスゴく高い点であることにそれがよく表れている。世間的になんの疑問挟むことなく手放し絶賛が普通で☆4~5満点が大半みたいな。その点は少し警鐘も促したいけど本作はそういう点を、景気のいいバカアクションで今回も気持ちよく裏切りながらバカ更新する安定っぷり。もはやお家芸の域に到達。個人的にはもしかすると本シリーズ中一番好きな『Fast Five/ワイルド・スピード MEGA MAX』以降で一番ハマった度合いは低いかもしれないけど、頭空っぽにして見ていられるし、このアツいシーズンにピッタリ。アクションにエンジンかけるためのありがち展開と回想説明祭りはご愛嬌。