チィファの手紙のレビュー・感想・評価
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この時代に何年も一人の人を想い続けるってあり得る?
という疑問はさておき(それを言っちゃうと元も子も無くなるので)全体的に静かな時の流れを感じさせる良い作品。手に入れられなかった人生に捉われ先に進めない男が、かつての恋人に小説を通じて気持ちが届いていたことがわかった時やっとまた一歩を踏み出せる。そして若い世代もそんな彼らの生き方を見てまた明日を生きていく。。。日本版も見てみたくなりました。
久しぶりに
岩井監督の映画久しぶりに観ました
どっぷり映画の世界観に入り込めて心地良かったです
悲しい事の先に見えるのは決して希望がない訳ではないと思わせてくれる映画でした
一番好きなシーンはサーランとムームーがインチャンと学校で出会うシーン
お互いに会った瞬間に誰かわかって・・・
インチャンが救われるシーンですよね
日本版は観ていませんが日本の30年前と中国の30年前は
歴史的背景が全然違うと思いますし日本より中国の方が変容していると思います
30年の重みがかなり違うかと思います
チィファやチィナンと同じ世代なのでお国は違えど感情移入しやすかった気がします
オンラインで観たので出来れば大きなスクリーンでもう一度観たいと思っています
iPhoneを中国人が作ったら。
ラストレターより、こっちを先に撮ってたんかぁ…
同じストーリーの別脚本ですが、言って良いですかね。こっちの方が良いです、好きです。圧倒的に、とまではいかないけれど。
ティファは日本版では松たか子さん。ここは松たか子さんの圧勝ですが、ティナン/ムームー役の差が余りにもデカいし、オチの締め方がシンプルで分かりやすいのが良いです。
ムームー役のダン・アンシー、最高です。ラストレターとは、ティナンの答辞だと明確に分かる締めでスッキリ。
日本映画を、日本の予算レベルで、中国で、中国人キャストと中国人スタッフで撮ったら、こうなるんだ…
とにかく、恐ろしく丁寧に撮られてるのと、ロケーションの郷愁感が半端ないですし、切ないです。こりゃ、クセになるかも。
良かった。とっても。
想像を遥かに超えてました!
※Appleの糸電話が地味にツボ
【相手を想い、心を込めて書いた”自筆の手紙”は時空を超えて人と人を結びつける。それは何処の国でも同じなのである。】
ー今作品とストーリー展開が”ほぼ似ている”「ラストレター」を2020年1月に鑑賞し、内容の素晴らしさに圧倒された。
その余韻が未だ残る中、中国を舞台に「你好、之華」日本タイトル「チイファの手紙」として公開されることになり、「ラストレター」と比較しながら鑑賞するのは、”出来るだけ脳内で制御しよう”と思いながら、劇場へ足を運んだ。
■今作の素晴らしきところ
1.劇中、静かに奏でられるピアノの音色も効果的に、生徒会長として輝いていたチィナン、妹のチィファが密かに転校生イン・チャンに憧れつつ、インチャンがチィナンへの想いを綴った恋文を切なそうに預かるシーン。静謐なトーンが、美しくも切ない雰囲気を醸し出している。
2.中国のここ30年の経済発展(特に劇中の現代パートでのラスト、イン・チャンが橋から眺めていた高層ビル群(北京オリンピック前からの上海周辺の高層ビル建設ラッシュは凄かった・・))が、この作品の中国の急激な時代の変化を絶妙に画として表している所。
3.現代パートと過去バートの”手紙”を介しての繋がり方。
4.大学時代、チィナンの心をイン・チャンから引き離し、彼女と同居していたジャン・チャオをイン・チャンが訪ね、安酒場で青島ビールを飲みながら、且つての想いを語るシーン。
そして、ジャン・チャオが自らの想いを激しくイン・チャンに叩きつけるシーン。
5.チィナンがこの世に遺した姉弟。その弟の悩みと解放の表し方・・。
(日本版では妹チィファの子供が姉弟であったが、中国の一人っ子政策を考え、設定を変更したそうである。)
<そして、チィナンがイン・チャンから定期的に貰っていた手紙が入った箱をムームーとサーランが開け、多くの手紙をムームーが”お母さんの宝物だった・・”と言うシーンや、
あの卒業式の答辞をチィナンとイン・チャンが書き上げ、現代パートで母チィナンから残された遺書:封筒に入っていた答辞の文章が読み上げられるシーン
にはやはり、胸に熱いモノがこみ上げてしまったのである。>
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<以下は、「ラスト・レター」鑑賞後レビューアップした文章である。内容に触れている部分もあるので、未鑑賞の方は気を付けて下さい。>
ー 年に数度だが、両親に自筆で手紙を書く。
電話でも良いのだろうが、何だか味気ない気がするのだ。ー
今作品が素晴らしいのは、手紙が人と人を結びつける様を静謐なトーンで、美しい風景を背景に自然に描き出している処である。
又、ストーリー展開も重層的ながら、破綻なく描いておりとても良い。
未咲の元夫、阿藤陽一というキャラクターがワンシーンだけ出る。
乙坂鏡四郎(福山雅治)と阿藤が、安居酒屋で十数年振りに会うシーンである。
阿藤の傲岸不遜だが、繊細な面を併せ持った複雑で、鬱屈した姿を豊川悦治が凄みを帯びた圧倒的な演技で魅せる。
このシーンは今作の中では異質のトーンで描かれるが白眉である。
阿藤が乙坂に言う。
”未咲の人生にはお前は微塵も影響を与えていないんだよ。今度小説を書くのなら、一人称では書くな!”
このシーンがあるからこの後の乙坂の場面が効いてくる・・・。
当初、”未咲が何故そんな男と・・”思っていたが、惚れるよなあ、この男の”圧”には。(実際に現在も中山美穂さん演じる美しい奥さん(内縁の妻かな?)がいるし・・・。)
乙坂が、阿藤との男としての器の違いを感じて、がっくり肩を落として歩く姿が印象的だった・・。
その乙坂が小説家として一冊だけ本を出版したあと、本を出せなかった理由もきっちりと描かれている。
乙坂が一年間だけ通った”ナカタガイ”高校の現在の風景を写す中に現れた”幻影”のような美しき少女二人の姿が鮮烈である。
驚きつつも、事情を察し乙坂が吹っ切れた感じで、二人の写真を撮る姿。
ラスト近くの乙坂と裕里(松たか子)の別れのシーンも良い。
自分に長年憧れていた裕里からあのような台詞を言われたら、男だったらもう一度、”夢”を目指すよなあ。
乙坂が彼女に手渡したモノ。
それは、彼らの青春の残影、そして未來に繋がる大切なモノ・・。
<自筆の手紙が、時空を越えた様々な恋を導く様を描いた秀逸な物語である。そして、彼らが”再生して、前を向いていく様”を描いた物語でもある。>
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