キネマの神様のレビュー・感想・評価
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良くも悪くも山田組
奇をてらった作品を嫌う私には安定感すら感じる。
ただ飛び抜けて優れた作品ではないが、千切れ千切のストーリーになってても観ていられるのは、それなりのちからがある証拠と思いたい。
キャストも話題の俳優が出てて、一瞬違う作品と見紛うくらい、過去のパートと現代パートの雰囲気が違う。
過去のパートは菅田将暉らが彼らなりの演技力を見せてくれて、昔はこんなだった…と感じさせてくれる。
一方、現代パートでは沢田研二を中心に人情劇らしい雰囲気を全般に出させており、ともすればオーバーな演技で統一されてる。
映画館頑張れ的な作品でもあるが、実際100万では今時の映画館の機材は揃わないので焼け石に水だから切ない。DCPの規格を否定しても仕方ないがDCPのプロジェクターとHD、それに合わせた音響をセットで買うとそんなんでは済まない。
だから、夢物語みたいな内容になってしまう。
映画館の小劇場を救うのは難しい…これが時代の流れか…。
キネマの神様からの贈り物
全編、映画愛に包み込まれた心温まる気持ちになる作品である。観客に夢を与えてくれる作品である。夢のある作品である。前半は、山田洋次監督お得意のリアルな主人公家族の物語であり、リアルな割に殺伐感はなく、温かさが画面から伝わってきたのは流石。ようやく後半になって、題名通りの主人公がキネマの神様から贈り物を授けられたような、夢のある展開になり胸が熱くなった。
今作の主人公は、ギャンブル依存症の78歳の老人・ゴウ(沢田研二)。彼は度重なる借金で家族を困らせていた。彼は、青春時代、今も親交のあるミニシアターの館主・テラシン(小林稔侍)とともに映画撮影所で働き、名女優、大監督に触発され映画人としての将来を夢見ていた。夢叶わずにいたゴウの人生だったが、あるきっかけで、埋もれていた彼の才能が一気に開花するチャンスが訪れる・・・。
主人公の青春時代の華やかで活気に満ちた撮影所の雰囲気、女優・桂園子役の北川景子の美しさが、当時の映画隆盛を彷彿とさせる。全編を俯瞰した映画作り、役者の所作の一つ一つに妥協しない映画作りなど、対象的な映画作りをする監督たちの対比が面白い。当時は癖のある監督が多かったようだ。個性的な映画作りが個性的な作品を生み面白い作品に繋がっていくと推察する。
沢田研二の名演とともに光っていたのが、菅田将暉と永野芽郁である。青春時代の主人公は、映画監督を目指し独創的アイデア考え出していくが、当時の撮影現場スタッフには理解できない。次第に苛立ち苦悩する主人公の姿を菅田将暉が全身を使って激演している。また、食堂の看板娘・淑子役の永野芽郁の、明るく元気で眩しい佇まいが、魅力に溢れている。ストレートな台詞回し、瑞々しいナチュラルな演技がGood。
ラストシーンは、ファンタジーであり主人公の願いをキネマの神様が叶えてくれたと解釈する。ラストシーンに山田洋次監督の映画愛が凝縮されている。感動的だった。
いい映画 を見た。
あまり高評価ではないのが意外だったが、私にはすごく良かった。単純に、山田洋次が好きなんだと思う。何でもないシーンでもなんか泣けるんだよなぁ。キャストは前田旺志郎がピカイチ。何気にお兄ちゃんも出てたし笑
志村けんが亡くなり、映画自体がなくなるんじゃないかというところを、沢田研二を代役にして実現したのが凄い。またそのキャスティングが。他の役者では逆にダメだったと思う。沢田研二も良かったけど、やっぱり見れば見るほど志村けんで見たかった。ハマり役だよ。東村山音頭はマジで泣けた。
アナログな優しさ
母と娘と孫と仲間と、
フィルムlikeなアナログな優しさに溢れた作品。
どうしようもない人生でも、どこか一度は輝いた瞬間がある。
亡き志村さんへの想いも馳せながら、エンドロールを見る。
代役の沢田研二さんの熱演も素晴らしいが、
この際志村さんのカットを活かしつつ、沢田さんのカットとミックスで、特別編を望む。
『カイロ紫のバラ』,『今夜ロマンス劇場で』など
観逃していたこの映画を上映してくれていて大感謝。
しかも、大きなスクリーンを独り占めで観賞。
とーっても面白かった原田マハさんの原作とは異なるストーリー、だとは知っていましたが……。
ジュリー、すごく良かった。
良かった。プラス、すごく志村けんさんにそっくりになるように演じているなぁ、肩幅を小さくして、少し背中を丸めて腕を組んで、似てる似てる。そうそうって。
観てるあいだ、ずーっと、余計な感想がついてまわった。
一方、北川景子さんと、リリー・フランキーさん、ずーっと観ていたかった。
すでに同じようなアイデアの映画があるから(そして、それらの映画はとても素晴らしいから)、選考委員は城戸(脚本)賞に選らばなかったかも……
面白かった
沢田研二が演技できるのかと思ったけど、良かった。
時代は多分、昭和の戦後のどこか。
映画が好きな、もうボケの入った爺さん。
近所の映画館に昔の親友、テラシンが経営する映画館が会って、何かというとそこにいっている。
ある日、嫌なことがあって昔の好きな映画をかけてもらっていたら、昔関係のあった美人女優が出ていておっと思ったらタイムスリップしてしまった。
多分大正時代あたりの日本に映画が入ってきた後。
山田洋次監督のお祭り映画
さすが松竹映画100周年記念作品、キャストが豪華でお祭り騒ぎ。沢田研二の汚ならしい駄目爺感が流石だった。志村けんさんも是非観てみたかったが…。菅田将暉・永野芽郁も安定の良さ。もちろん北川景子・野田洋次郎も出てくる度安心できる。個人的に息子(孫)役の子が絶妙だった。
古き良き昭和時代を味わえる
原作は読まずに鑑賞しました。
昭和パートの菅田将暉さん、永野芽郁さんの目の輝きは素晴らしかったです。若く夢を追いかけている感じがとても伝わってきました。
特に北川景子さんの美しさに目を奪われてしまいました。昭和の女優にしか見えない佇まいが本当に見事で、北川さんを観るだけでもこの映画を観る価値はあると思います。
沢田研二さんも、志村けんさんかと見間違うほど見応えのある演技でした。
ただ、昭和と令和の話があまり繋がらないというか。菅田くんのゴウから老後あれほどまでに堕落する理由が不十分だったように思います。
映画製作と公開の時期がどうにもついていなかった、松竹100周年映画
せっかくの松竹100周年映画ですが、如何せん時期が悪すぎました。本当はもっと違った形の映画になる予定であったと推察されます。山田監督に同情します。
煽り文句の日本版ニュー・シネマ・パラダイスとは全然思えません。それでも見どころは多数ありました。まず、北川景子さんがとにかく良かった。最初は本当に昭和20-30年代の僕の知らない女優さんかしら?と思うくらい、話し方、雰囲気、すべてが原節子を彷彿とさせてくれて、彼女の演技が圧巻でした。そして永野芽郁さんもゴウと話すときの視線、表情とも素晴らしく、切ない可愛らしさが存分に出ていました。5月に「地獄の花園」も鑑賞しましたが、今回のような役の方が彼女の良さを引き出していると思います。小林稔侍さんも良かった。稔侍さんは友情に篤い役をやると「鉄道員」もそうですが、天下一品です。
ところで代役を引き受けた沢田研二さんはどうかというと・・・沢田研二さん主演の映画は、僕の記憶が正しければ、1988年、日活がロマンポルノ路線と決別し、普通の封切り映画を再開したときの第1作「リボルバー」以来だと思いながら、本作を鑑賞しました。当時僕はロッポニカで鑑賞しましたが、ジュリーって基本歌手であり、正直演技は微妙、と感じていました。33年経過して、今回もやっぱり・・・微妙でした。でもプライドの高いジュリーが本作で東村山音頭を歌う場面はなぜだが無性に涙が流れました。
見てみたい
この映画は撮影中志村けんさんがコロナでお亡くなりになるという、非常に悲しい出来事がありました。
代役の沢田研二さんは必ずしもうまい演技とは言えませんが、沢田研二さんなりの志村けんさんを演じたからであろうと思います。
途中まで撮影された志村けんさんのキネマの神様を見てみたい気持ちでいっぱいです。
なんなら途中から沢田研二さんでもいいぐらいに思ってます。
この気持ちが映画界に届く事を願ってます。
残念でした
原作がとても好きで、公開を心待ちにしており、この度、やっと観ることができました。
見始めるとすぐ、オリジナルのストーリーだと気づき、原作とは違う作品だと、自分に言い聞かせて、映画を楽しもうとしましたが、最後まで辛いままでした。
脚本と演出がとても残念で、私の心に響くシーンは、まったくありませんでした。
日本映画界の将来が不安になる作品でした。
役者の方々は、皆さん素晴らしかったです。
特に良かったのが、沢田研二さんと永野芽郁さんでした。
山田洋次監督と山崎貴監督
志村けんさんの代役として沢田研二さんが演じられました。志村さんを彷彿させ、僕は笑ってしまいました。物悲しさがなんとも言えないラストでした。
現代のシーン、小林稔侍さんや寺島しのぶさんをはじめ実力派の役者さん、ゴウ(菅田将暉さん)とテラシン(野田洋次郎さん)のシーン、淑子(永野芽郁さん)と桂園子(北川景子さん)の車中のシーン、どちらもグッときました。そして前田旺志郎さんの孫役はすごく癒しでした。
菅田将暉さんファンの母も大満足でした。
志村けんさんから沢田研二さんにバトンタッチした作品。初監督作品に挫...
志村けんさんから沢田研二さんにバトンタッチした作品。初監督作品に挫折し、映画界から姿を消した主人公のギャンブルと酒と借金にまみれた今と夢に溢れた若い頃の姿が 交互に流れていく。沢田研二さん,汚れ役、ぴったりです。東村山音頭を歌うシーンには思わず涙がこぼれました。
松竹100周年
松竹100周年記念映画とあって、巨匠山田監督に豪華出演者が揃った力作。コロナもあり、製作に非常に苦労したのが伺えた。脚本も志村さん仕様で作られたのをそのまま沢田さんが演じた?と感じられたが、頑張ったなあという感想。永野さんの存在感は作品ごとに大きくなっている。
時間が足りなかったのか、幕の内弁当のようにちょっとずつ色々という脚本になったのが残念。
沢田研二良かった!
10代の頃からジュリー(沢田研二)のファンだったので、年取っておいぼれ感があるジュリーにちょっと違和感もありましたが、志村けんを尊重?して、劇中🎵東村山音頭🎵を歌う等、さすがだと感じた😃宮本信子の健気に支える奥さん役も良かった!願わくば、沢田研二も舞台挨拶に出て来てほしかった💕
ちょっと眠くなった
私的にはあまり面白くなかった。
菅田将暉さんや永野芽郁さん、北川景子さんは良かった。
最後に字幕で「志村けんさんさようなら」の文字を見て時に涙が出た。
志村けんさんと沢田研二さん、どちらが良かったかは分からない。沢田研二さんも頑張っていたと思う。
でも志村けんさんは残念でならない。
もともと原田マハさんの原作小説が気になっていたのですが、これは映画...
もともと原田マハさんの原作小説が気になっていたのですが、これは映画が題材のお話だから映画の方から観るのもアリかな〜と思い先に映画を鑑賞。なので原作は未読です。
まず、全体的なストーリーはまとまりがない気がしました。どこが?と聞かれるとうまく答えられないのだけど、なんとなくまとまりがないんです。
あと、コロナが出てくるのはがっかりでした。取ってつけたような絡め方も好きじゃないし、そもそも映画にコロナ禍の描写が入ってくるのが個人的に好きじゃなくて。もちろん、コロナを題材にしたものとかだったらいいんですけど、普通の映画ぐらいコロナのこと忘れさせてよ、、と思ってしまいます。特に今作はコロナの描写がなくても十分に描ける内容だし、むしろちょっと浮いてる。
じゃあなんで高評価をつけているのかというと、過去パートが良すぎたからです。本当に、雰囲気が素敵すぎた。
もちろん、もうちょっと撮影所の空気感とかじっくり入れ込まれてる方が面白いんじゃないかな?とかいろいろあるにはあるのだけれど、そんなことどうでもいいぐらいに、素敵なんです。
菅田将暉、野田洋次郎、永野芽郁、北川景子。この4人の醸し出すレトロな空気感がもう最高に良くて、ストーリーの起伏は大きくなくても、ずっと観ていたい...!となりました。むしろ現代パートなしで、若い頃の彼らをもっとじっくり見せてくれても良かったんじゃないか!!というくらい。
それに加えて、エンドロールで流れるうたかた歌がまた最高なんです。ゴウちゃん(菅田将暉)の声で「一度も眼を見て言えたことないけど 僕の何分の一でも君は幸せでいたのかい」なんて歌うんです。たぶんエンドロールでいちばん泣きました。
過去パート目当てだけでも十分に観る価値はあると思います。たぶんそろそろ劇場での上映は終わっちゃうんだけど。間に合う方は是非!
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