「原作とは完全に別物」キネマの神様 パダワンさんの映画レビュー(感想・評価)
原作とは完全に別物
先日動画配信サービスにて鑑賞
当方
子供の頃から「男はつらいよ」ファンでほぼ全シリーズをみていてラッドウィンプスファンの自分としてはなんとなく気になってた作品だが、映画館いくのもなあと考えてた
まず思ったのは皆さん意見が分かれてる通りジュリーの演技について、味はあるが正直うまいとは思えなかった。
しかし、他のキャストも宮本信子なども普段よりもわざとらしい演技になってる気がしたので
監督などからそういう演技指導があったのかな?と思った。
脚本は志村けんに向けてあてがきをしたということだったが、正直ジュリーの方が合ってるような気はした。
また志村けんへの敬意で東村山音頭が組み込まれていたがあまりに露骨に感じジュリーの曲や昭和歌謡へ変えてもいい気はした。
また原作と全然違うとのコメントも多く
興味があったので原作も読んでみた。
原作の内容は確かに全く違う内容で
非常におもしろくゴウとローズバットの友情やゴウと娘の家族愛の描き方など最高で、山田洋次がその様を描いたらどんなにおもしろかっただろうと思った。
松竹の100周年記念作品で菅田将暉や野田洋次郎を使ったりすることが決まっていたのかなと感じた。
映画のストーリーの若い時は夏目漱石の「こころ」を連想させるし、無理やり作った感じがあり必要性性はあまりなかった。
菅田将暉を使うことが確定していたなら、ばるたん役で使って大幅に出番を増やすとかにするべきだったのでは。
山田洋次の回顧録のような感じになっていて
それはそれで別の映画で作った方が面白くなったよう気はする。
良かった点としては北川景子が昭和のスター女優を演じているがそれがとても似合っていた。
またゴウが賞を受賞して書いた手紙を娘がスピーチするシーンは感動的でグッと涙を堪えた。
山田洋次は家族愛などを描かせたらやはり上手だと思う。
またクレジットシーンのうたかた歌も素晴らしかった。
原作とは完全に別の映画としてみたらぼちぼち秀作ではあると思うので日本映画好きな方は見てみてもいいかと思う。
合掌