劇場公開日 2021年8月6日

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「そこは『TOKIO』を歌うところでしょう」キネマの神様 bionさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5そこは『TOKIO』を歌うところでしょう

2021年8月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 大船撮影所パートは、すごくよかった。北川景子は、昭和の映画スター然としていたし、永野芽郁演じる淑子がとにかくキュート。全盛期の撮影所の雰囲気も味わえて至福の時間だった。

 リリー・フランキー演じる出水監督は、映像派の監督らしく、俳優の演技に興味がない。この出水監督のキャラクターが面白い。ユーモアたっぷりに俳優をくさしたり、料理屋で思い浮かんだシナリオをその場で演じてみせ、助監督のゴウに筆記させる。この一人芝居が上手いんだよね。

 映画への情熱あふれる若き日のゴウと、ギャンブル・借金・酒浸りのダメダメじいさんの落差がありすぎてそのギャップを埋めるだけのエピソードがちょっと足りなかったかな。ただ、全体から見ると些細なマイナス点でしかなく、友情、家族再生の物語としては、とてもよかった。

 志村けんだったらどう演じたんだろうと想像しながら、鑑賞したんだけど、緩んだ体型も相まって沢田研二のクズじいさんは、なかなかよかったんじゃない。

 歌う場面は、『TOKIO』を歌って欲しかったな。

bion
グレシャムの法則さんのコメント
2021年8月8日

コメントありがとうございます。
映画は映画として別ものだとは思います。が、もしこの映画を観て、そっか、もう原作は読まなくてもいいか、と感じてしまう方がいたらとても残念です。
映画好きな方にこそ読んで欲しい逸品であることは保証します。

グレシャムの法則