「「復興」について考えさせられる」春を告げる町 邪悪ばうあーさんの映画レビュー(感想・評価)
「復興」について考えさせられる
東京オリンピックの聖火リレーの出発点となる福島県広野町。2011年の大災害で原発の影響を大きく受けた町。そして住民が戻りつつある町。
高校の演劇部で、復興をテーマにした「人生ゲーム」という芝居を作り上げる過程が主旋律となっている。主役の佐藤さんは演劇部の中で唯一被災を経験していない「マイノリティ」である。そして被災者を知ろうとする映画の鑑賞者の「代表」なのかもしれない。他の被災経験がある部員達からの率直な言葉は、簡単には受けとめられない強さと厳しさがあった。そしてそれらは日本人誰もが受けとめる必要があるものだ。
意外だったのは、仮設住宅が閉鎖されるために「自宅」に戻ることになった高齢の女性達である。「仲間ができたし、便利だし…」との言葉は、買い物などが不便で仲間が近くにいない自宅に戻りたくないという本音なのだろう。仮設住宅は「コンパクトシティ」だったのではないか?災害のある無しに関わらず、施設ではない高齢者が集まり住む便利な街は機能するのだ。誰もが自分が生活していた家にいる必要が無いのだ。
災害も「復興」もいらない。
日々「笑顔」で生きていく、
それが良い。
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