無頼のレビュー・感想・評価
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これは紛れもない井筒組の作品だった
2012年の『黄金を抱いて翔べ』以来でしょうか、井筒和幸監督久々の新作であります。
今年は平成史とも言える『糸』があったが、今作はヤクザの視点から戦後の昭和史を俯瞰した群像劇だった。
敗戦後の日本、頼える親がなく、貧困の中で育ち、世間に歯向かって生きてきた子供たちがいた。彼らがヤクザになることは必然だった。
元EXILEの松本利夫さんが実に人間味のある主人公を演じ、ヤクザの親分のイメージを覆した。妻役は「純平、考え直せ」ですっかりファンになった柳ゆり菜さん❣️彼女のオンリー・ワンの魅力が今作に花を添えた。
実に多くの役者さんが登場するのにも驚かされるが、それぞれの個性が際立ち熱量がハンパなかった。観る自分も熱くなった。
そう、これは紛れもない井筒組の作品だった。
昭和任侠道を井筒監督が総括してみました的な
1956年(昭和31年)から始まりました。昭和アンティーク満載。特に車。トラック、バキュームカー含めて、とても楽しめました。
街頭テレビの力道山。
東京オリンピック。東洋の魔女。
オイルショックのトイレットペーパー買い占めなど昭和の歴史がちりばめられています。
トイレットペーパーで柳ゆり菜を釣るシーンあり。柳ゆり菜はなかなか堂々たる演技でした。
主人公には実際のモデルがいるらしいです。お爺さんは地銀の創設者で大恐慌の際には私財を充てて銀行を守ったらしい。立派な家系じゃん。総勢400人の豪華な役者たち。それぞれいい演技で、雑な感じは全然ありませんでした。
中村達也はやっぱりホンモノだなぁ。
自前のタトゥーが全身にあるので裸にはなれません。生まれつきのストリートファイター。たまたまロックバンドのドラマーをやっているだけの人。役者も器用にこなします。西川可奈子が娘役で、ヤクザとしては家族に囲まれて幸せな最後でした。
三上寛は拳銃自殺した右翼(野村秋介。役:木下ほうか)の霊安室のお坊さんで、お経あげるだけ?贅沢な起用と思ったら、ちょっと違った。引退後の井藤正治(MATSU)に出家を勧める。やだな~、小指のないお坊さん。合掌しても、ぴったり合わさらない。ゆびきりげんまんできない。小指と小指を絡ませられない。
泉谷しげるの春夏秋冬をテーマソングに据えてきたのは、井筒監督の趣味なのでしょうか?この名曲は無頼という題にはよく合っていました。
MATSUは好きなので良かったです。
パンフは2200円でした。ちょっと手が出ませんでした。
144分には全然感じませんでした。
ヤクザ視点で振り返る昭和平成史
映画自体の広告にも唱われているが、ヤクザ視点で見る昭和平成史。
レビューに賛否あるが、個人的にこの観点から観て楽しめた。
時代の流れをこうして外から2時間少々で見ると現在のありがたさ、そして課題みたいなものが見えてくる。
私が36歳だから上手く刺さったのかもしれない。
ゆえに若い世代はぽかんとされる可能性もある。
この映画に流れる古き良き脈動を今の我々がこれからどう体現するか、考えさせられた。
個人的には主役とヒロインの演技は良かったと思う。
若い俳優さんの良さも出ていた。
内容はヤクザの日常風景を淡々と繋ぎ、合間に風刺や愚痴や事件があるというシンプルなもの。
日本は50数年でここまで変わったということを改めて見つめられる作品に思う。
ヤクザ日記
圧巻
井筒和幸では下位
ヤクザの一代記
嫌な時代の記録
昭和42年生まれの私にとっては、子供のころの怖い人たちの記録だった。井筒監督がそこを描きたかったのであれば、成功と言えるかもしれない。
ヤクザがみかじめ料を徴収して、女郎屋をやって儲けていた時代、映画では親分自ら服役していたけど、実際は子分が身代わりにというケースのほうが多かっただろう。抗争の末、銃殺シーンも多かったが、抗争の原因がいまいちよくわからなかった。結局は虚勢の張り合いで、何に命をかけていたのか?
暴対法ができて、見た目ヤクザはすっかり姿を消したが、現代でも、ヤクザ稼業はしっかり地下で活動中、その証拠が、オレオレ詐欺やサイバーテロなのではあるまいか。昭和のノスタルジーなんてやめてくれ!と思った。
面白みがひとつもなかった
久々の井筒監督作品鑑賞。楽しみにしてたんですが・・・・・
「冗長」
この一言につきます、この作品。すみませんが・・・・つまらない。
任侠一家の一代記を用いて和製ゴッドファーザーでもやりたかったのでしょうか?いや、きっとやりたかったんだと思います。雰囲気が、ファミリーアピールすごいもん。パーティーシーンなんて「まんま」だと思いましたよ。で、往年のヤクザ映画的な感じもいれつつ。監督が好きなんだろうな、両方とも。
作品はある男の少年期から壮年期までの一代記(モデルがいらっしゃるのかな?)を描いていますが、
「で?」
です。
申し訳ないが何も感情が動きませんでした。自分でもびっくりです。
淡々とある男及びその家族、一家の思い出話に付き合っただけです。
思い出話としか思えないエピソードつらつら流されても心動きません。
あぁ、ひどい殺され方するなぁとか、あぁそのころはこんな感じだったんだなぁとか、その程度です。
監督は表現者として自身が作りたいものをつくってるので、それ自体を否定するつもりはありませんが、なんだろなー、居酒屋でオッサンの「好きな話」と「愚痴話」を聞いてる気分になるんです。
特に気になったのが妙な主張じみたセリフ。
それを言いたいがために作ったような役がちらほら。
そのセリフ、監督の愚痴なんじゃないの?なぁんて思ったりして。
関係ないじゃん!ストーリーに!
何かをやろうとしたんでしょうが?残念ながら「形」になってないと思います。
あと、主役の松本さん、かなりの力不足だとおもいますよ。
姐さん役の柳さんも残念ながら(気立の良い若奥さんにしか見えない)。
親分に子分がついていく説得力がないです。
この男になんの魅力があるのか?がさっぱりわからん。
またこの親分がどーすごいのか?もちっとも伝わらない。
周辺の子分やら兄弟の「セリフ」で凄さを表しているに過ぎないから
まぁーー薄っぺらい。
他の俳優さんが演じてらっしゃる親分衆に比べると、足元にも及びません。
だから井藤組が一目置かれる存在ってことが、さっぱり伝わらないです。
この2人を実力ある役者さんにするだけでも映画の印象は大きく変わったことでしょう。
キャスティングは大切な演出。最大と言っても。大失敗でしょう。
何も語りかけてこない、焦点がボケている非常に辛い2時間半。
興味ある方はぜひ。
ヤクザグラフティー
ヤクザ、井藤正治歴史年表
2歳で母親を亡くし15歳で父親を亡くし、駿河の国界隈でのし上がったヤクザものの話。
アイスを売り納豆を売り日銭を稼いでいた少年が、目を掛けて貰っていた組の為に働き、服役し、自身で組を持ちのし上がって行くストーリー。
いくらかは派手なやり合いや恫喝シーンもあるけれど、親分さんは至って冷静で、切った張ったのエンタメ特化ではない15歳から60歳までの主人公、井藤正治と、井藤組に纏わる抗争に凌ぎに政治絡みのところまでヤクザのお仕事をみせる物語。
余り深いところまで描かれるところは少ないけれど、年数字幕と時代背景を反映したネタを仕込みつつ進行して行き、その時代のヤクザ事情を紹介している一面も。
最後まで結構あっさりで、派手なドンパチやヒリヒリ感を求めたらもの足りないことこの上ないだろうけど、個人的にはとても面白かった。
ヤクザ映画好きならいいのかも
是非、映画館でみて欲しい。
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