無頼のレビュー・感想・評価
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自伝(言わないけれども)
興味あったのに何故か薄い公開スケジュール。残念ねー、なんて思ってたらば近所の単館系映画館が持ってきてくれた!ありがとう。
そして観終わって納得。あの人のお話だったのですね。色々とデリケート過ぎてプロモーションもあまり派手じゃないのね。というか、井筒監督に回ってきたのもなるほどー、な感じでして。
「ゴッドファーザー」や「仁義なき戦い」に胸を熱くしたであろうあの方が、ポケット◯◯◯で◯◯に依頼して完成した作品とでもしておきましょうか。闇の渦の底の泥々としたものにはほとんど触れず、極道としての筋を淡々と見せられていた印象。しかも、思いの外長い(笑)。知らなかったので、途中でアレ?アレ?落とし所はマダ??となりました。
役者さん達はキッチリ良い感じでやってくれているので、僕は最後まで(ニュースを思い出しつつ)楽しめましたが、どうなんでしょうねぇ。なんとも奥歯に何かを挟んでしまった感じの作品でした。
もごもご。
まだ日本統一のほうがマシ。
なんだこの作品。人物描写薄いし、脚本悪いし。井筒監督の興味、柳ゆり菜にしか無いのが丸わかり。無名の役者使うのは良いよ。でも迫力が全くないから真実味なし。演出とか言う前にワークショップでもっと鍛えろよ井筒監督。ワークショップの怠慢だよ。
脚本が全く良くない。一代記なら要所を抑えなさいよ。なんでいきなり刑務所出たら一家の組長やってんの??説明不足でしょ。盃交わすならそれなりの理由あるでしょ。そこ端折ったら棚ぼたな人物像でしょ。苦労して、人情に訴えて、苦渋をな舐めるから仁義なき戦いでしょ。
柳ゆり菜のキャラクター以外待ったのそれがない。
こんなのこの映画の10の1の映像の底辺のVシネマより作りが悪い。
井筒監督は地に落ちた。悲しい。
無頼に生きると言う程、無頼が活きてない感じであります。
井筒監督の作品で最近では珍しいヤクザ映画との事で興味もあって観賞しました。
で、感想はと言うと、期待値をそんなに上げてなくてもまあまあのちょい下。
昭和を駆け抜けた一人の極道の半生を描いていて、昭和30年代からの昭和史はいろんな部分でノスタルジックで面白かったけど、個人的な感想では難点も幾つか。
・主人公との関係や名前とかが分かり難い。
主人公は松本利夫さん演じる井藤正治で、それに関わる人達が分かり難い。
名前も関係性もで、顔も似たり寄ったりな感じw
絶対的な主人公にその他個性的なキャラと言う感じではないし、とにかく人数が多いので前情報と言うか、予備知識が無いと難しいかな。
・ヤクザではあるが、ヤクザとしての怖さや切なさがなんか薄い。
井藤以外の様々な周囲の人間が不遇な境遇に見舞われているが、切なさや怖さがなんか薄いんですよね。
ヤクザの本質を問うてる作品で無いししても、「正義を語るな、無頼を生きろ。」との謳い文句にもっとアウトサイダーかなと思ったら、そうでもない。
叙事詩的作品かつピカレスクとしても振り切れが弱くて、無頼に生きろ。と言う程、無頼が活きてない感じ。
あと、ちょっと「春夏秋冬」使い過ぎじゃねえ?みたいなw
もう少し厳選した使い方だったら際立ったかな?と思うのですが、割りと至る所で使われ過ぎているので、少しクドい感じがするのと曲調が柔らかい感じでもあるので、これがテレビドラマならの主題歌なら問題無いけど、映画作品としてはなんかしっくりと来ない感じなんですよね。
井藤役のEXILEのMATSUこと、松本利夫さんが青年期からずっと井藤を演じているので井藤の人生がより濃く感じられるんですが、どうにも良い人感が滲み出るんよね。
報われない境遇から必然的にヤクザと言う人生を歩んだ井藤であるが、度胸と才覚と仲間に恵まれてのし上がっていく。
そして、還暦を迎え、ヤクザを引退し、遠い異国の地でかつて自身が歩んだ少年期の迎える様な子供たちを支援する第二の人生を歩もうとする。
無事に人生を全うするだけでヤクザとしては最上の上がり方。
ヤクザと言うにはなんかしっくり来なくて、政治家みたいであればしっくり来たのかな?って感じです。
井藤の伴侶で要所要所で手綱を握る佳奈役の柳ゆり菜さんは姐さんとして存在感が良い♪
ちょっと晩年の熟女感は薄いんですがw、実年齢から考えると結構どっしりとヤクザの姐さんを演じられてます。
ヤクザ映画の黄金期は1960年から70年代で、その中でも「網走番外地」「日本任侠伝」「昭和残俠伝」「仁義なき戦い」と言ったシリーズは名作として名高いですが、「無頼」も往年のヤクザ映画再びの意識があるとは思います。
でも主人公の井藤は高倉健さん程ストイックでは無いし、菅原文太さん程エネルギッシュでも無い。
また「アウトレイジ」や「仁義の墓場」程の過激描写もそんなに無い。
かと言って「極道の妻たち」程のちょっと変化球でも無い。
エンタメとしても何処か薄いし、実録路線でも無い。
ヤクザ、任侠、極道、暴力団と様々な呼び方があって、どの単語を使うかで作品イメージも変わりますが、言葉のイメージと並んで、作品の気質と言うか、カラーはとても大事。
ヤクザ映画黄金期の名優の方々が鬼籍に入られている中で、昔と比べるのはなかなか酷な部分はありますが、それでも昨今ではなかなか少ないヤクザ映画に観る側はそれなりに期待をしてしまいます。
純粋に井藤正治の半生として観た方が面白いのかもですが、どうにも群像劇としても人数出過ぎなぐらいに出まくってる。
Vシネでも無いけど、どちらかと言うとVシネ寄りな部分があり、どうにも中途半端にも写るのが惜しいなぁ。
ましてや井筒監督なら「ガキ帝国」の様に尖った作品かと観る側を期待しますわなw
井藤正治の半生としてはなかなか面白かったんですが、ヤクザ映画と言う感じではちょっと残念かなと言う感じが正直な感想。
あくまでも個人的な感想ではありますので、一意見として受け止めて頂ければ幸いです。
心躍らず
これは紛れもない井筒組の作品だった
2012年の『黄金を抱いて翔べ』以来でしょうか、井筒和幸監督久々の新作であります。
今年は平成史とも言える『糸』があったが、今作はヤクザの視点から戦後の昭和史を俯瞰した群像劇だった。
敗戦後の日本、頼える親がなく、貧困の中で育ち、世間に歯向かって生きてきた子供たちがいた。彼らがヤクザになることは必然だった。
元EXILEの松本利夫さんが実に人間味のある主人公を演じ、ヤクザの親分のイメージを覆した。妻役は「純平、考え直せ」ですっかりファンになった柳ゆり菜さん❣️彼女のオンリー・ワンの魅力が今作に花を添えた。
実に多くの役者さんが登場するのにも驚かされるが、それぞれの個性が際立ち熱量がハンパなかった。観る自分も熱くなった。
そう、これは紛れもない井筒組の作品だった。
昭和任侠道を井筒監督が総括してみました的な
1956年(昭和31年)から始まりました。昭和アンティーク満載。特に車。トラック、バキュームカー含めて、とても楽しめました。
街頭テレビの力道山。
東京オリンピック。東洋の魔女。
オイルショックのトイレットペーパー買い占めなど昭和の歴史がちりばめられています。
トイレットペーパーで柳ゆり菜を釣るシーンあり。柳ゆり菜はなかなか堂々たる演技でした。
主人公には実際のモデルがいるらしいです。お爺さんは地銀の創設者で大恐慌の際には私財を充てて銀行を守ったらしい。立派な家系じゃん。総勢400人の豪華な役者たち。それぞれいい演技で、雑な感じは全然ありませんでした。
中村達也はやっぱりホンモノだなぁ。
自前のタトゥーが全身にあるので裸にはなれません。生まれつきのストリートファイター。たまたまロックバンドのドラマーをやっているだけの人。役者も器用にこなします。西川可奈子が娘役で、ヤクザとしては家族に囲まれて幸せな最後でした。
三上寛は拳銃自殺した右翼(野村秋介。役:木下ほうか)の霊安室のお坊さんで、お経あげるだけ?贅沢な起用と思ったら、ちょっと違った。引退後の井藤正治(MATSU)に出家を勧める。やだな~、小指のないお坊さん。合掌しても、ぴったり合わさらない。ゆびきりげんまんできない。小指と小指を絡ませられない。
泉谷しげるの春夏秋冬をテーマソングに据えてきたのは、井筒監督の趣味なのでしょうか?この名曲は無頼という題にはよく合っていました。
MATSUは好きなので良かったです。
パンフは2200円でした。ちょっと手が出ませんでした。
144分には全然感じませんでした。
ヤクザ視点で振り返る昭和平成史
映画自体の広告にも唱われているが、ヤクザ視点で見る昭和平成史。
レビューに賛否あるが、個人的にこの観点から観て楽しめた。
時代の流れをこうして外から2時間少々で見ると現在のありがたさ、そして課題みたいなものが見えてくる。
私が36歳だから上手く刺さったのかもしれない。
ゆえに若い世代はぽかんとされる可能性もある。
この映画に流れる古き良き脈動を今の我々がこれからどう体現するか、考えさせられた。
個人的には主役とヒロインの演技は良かったと思う。
若い俳優さんの良さも出ていた。
内容はヤクザの日常風景を淡々と繋ぎ、合間に風刺や愚痴や事件があるというシンプルなもの。
日本は50数年でここまで変わったということを改めて見つめられる作品に思う。
人らしく
井筒作品はやはり一味違う。というか人間を生々しく描く映画が減りすぎたのか。
ヤクザって地元の顔役なんだな。昔の任侠ものでもヤクザVシネでもそのあたりを生々しく人間活動として描く作品はあっただろうか?アウトローなヒロイズムやエクセントリックばかりピックアップされがちなのがヤクザ映画だよな。
生きる商売としてのヤクザを淡々と描写したり、誰それはどこの学校を卒業して今は何をやってる・・みたいな会話がリアルに感じる。糞便を銀行に撒くって確か実際にあった事件だし。
「ゴッドファーザー」見て、アレ、いいよな・・とかありそうだよな。
自ら出資して自分が主人公の映画を作ったりは本当にあるから笑える。
主役もヒロインもハマってた。有名俳優ばかり使って嘘臭くなる轍を踏まなかったのも好印象。
ヤクザ日記
圧巻
井筒和幸では下位
ヤクザの一代記
嫌な時代の記録
昭和42年生まれの私にとっては、子供のころの怖い人たちの記録だった。井筒監督がそこを描きたかったのであれば、成功と言えるかもしれない。
ヤクザがみかじめ料を徴収して、女郎屋をやって儲けていた時代、映画では親分自ら服役していたけど、実際は子分が身代わりにというケースのほうが多かっただろう。抗争の末、銃殺シーンも多かったが、抗争の原因がいまいちよくわからなかった。結局は虚勢の張り合いで、何に命をかけていたのか?
暴対法ができて、見た目ヤクザはすっかり姿を消したが、現代でも、ヤクザ稼業はしっかり地下で活動中、その証拠が、オレオレ詐欺やサイバーテロなのではあるまいか。昭和のノスタルジーなんてやめてくれ!と思った。
面白みがひとつもなかった
久々の井筒監督作品鑑賞。楽しみにしてたんですが・・・・・
「冗長」
この一言につきます、この作品。すみませんが・・・・つまらない。
任侠一家の一代記を用いて和製ゴッドファーザーでもやりたかったのでしょうか?いや、きっとやりたかったんだと思います。雰囲気が、ファミリーアピールすごいもん。パーティーシーンなんて「まんま」だと思いましたよ。で、往年のヤクザ映画的な感じもいれつつ。監督が好きなんだろうな、両方とも。
作品はある男の少年期から壮年期までの一代記(モデルがいらっしゃるのかな?)を描いていますが、
「で?」
です。
申し訳ないが何も感情が動きませんでした。自分でもびっくりです。
淡々とある男及びその家族、一家の思い出話に付き合っただけです。
思い出話としか思えないエピソードつらつら流されても心動きません。
あぁ、ひどい殺され方するなぁとか、あぁそのころはこんな感じだったんだなぁとか、その程度です。
監督は表現者として自身が作りたいものをつくってるので、それ自体を否定するつもりはありませんが、なんだろなー、居酒屋でオッサンの「好きな話」と「愚痴話」を聞いてる気分になるんです。
特に気になったのが妙な主張じみたセリフ。
それを言いたいがために作ったような役がちらほら。
そのセリフ、監督の愚痴なんじゃないの?なぁんて思ったりして。
関係ないじゃん!ストーリーに!
何かをやろうとしたんでしょうが?残念ながら「形」になってないと思います。
あと、主役の松本さん、かなりの力不足だとおもいますよ。
姐さん役の柳さんも残念ながら(気立の良い若奥さんにしか見えない)。
親分に子分がついていく説得力がないです。
この男になんの魅力があるのか?がさっぱりわからん。
またこの親分がどーすごいのか?もちっとも伝わらない。
周辺の子分やら兄弟の「セリフ」で凄さを表しているに過ぎないから
まぁーー薄っぺらい。
他の俳優さんが演じてらっしゃる親分衆に比べると、足元にも及びません。
だから井藤組が一目置かれる存在ってことが、さっぱり伝わらないです。
この2人を実力ある役者さんにするだけでも映画の印象は大きく変わったことでしょう。
キャスティングは大切な演出。最大と言っても。大失敗でしょう。
何も語りかけてこない、焦点がボケている非常に辛い2時間半。
興味ある方はぜひ。
ヤクザグラフティー
ヤクザ、井藤正治歴史年表
2歳で母親を亡くし15歳で父親を亡くし、駿河の国界隈でのし上がったヤクザものの話。
アイスを売り納豆を売り日銭を稼いでいた少年が、目を掛けて貰っていた組の為に働き、服役し、自身で組を持ちのし上がって行くストーリー。
いくらかは派手なやり合いや恫喝シーンもあるけれど、親分さんは至って冷静で、切った張ったのエンタメ特化ではない15歳から60歳までの主人公、井藤正治と、井藤組に纏わる抗争に凌ぎに政治絡みのところまでヤクザのお仕事をみせる物語。
余り深いところまで描かれるところは少ないけれど、年数字幕と時代背景を反映したネタを仕込みつつ進行して行き、その時代のヤクザ事情を紹介している一面も。
最後まで結構あっさりで、派手なドンパチやヒリヒリ感を求めたらもの足りないことこの上ないだろうけど、個人的にはとても面白かった。
ヤクザ映画好きならいいのかも
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