「面白みがひとつもなかった」無頼 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
面白みがひとつもなかった
久々の井筒監督作品鑑賞。楽しみにしてたんですが・・・・・
「冗長」
この一言につきます、この作品。すみませんが・・・・つまらない。
任侠一家の一代記を用いて和製ゴッドファーザーでもやりたかったのでしょうか?いや、きっとやりたかったんだと思います。雰囲気が、ファミリーアピールすごいもん。パーティーシーンなんて「まんま」だと思いましたよ。で、往年のヤクザ映画的な感じもいれつつ。監督が好きなんだろうな、両方とも。
作品はある男の少年期から壮年期までの一代記(モデルがいらっしゃるのかな?)を描いていますが、
「で?」
です。
申し訳ないが何も感情が動きませんでした。自分でもびっくりです。
淡々とある男及びその家族、一家の思い出話に付き合っただけです。
思い出話としか思えないエピソードつらつら流されても心動きません。
あぁ、ひどい殺され方するなぁとか、あぁそのころはこんな感じだったんだなぁとか、その程度です。
監督は表現者として自身が作りたいものをつくってるので、それ自体を否定するつもりはありませんが、なんだろなー、居酒屋でオッサンの「好きな話」と「愚痴話」を聞いてる気分になるんです。
特に気になったのが妙な主張じみたセリフ。
それを言いたいがために作ったような役がちらほら。
そのセリフ、監督の愚痴なんじゃないの?なぁんて思ったりして。
関係ないじゃん!ストーリーに!
何かをやろうとしたんでしょうが?残念ながら「形」になってないと思います。
あと、主役の松本さん、かなりの力不足だとおもいますよ。
姐さん役の柳さんも残念ながら(気立の良い若奥さんにしか見えない)。
親分に子分がついていく説得力がないです。
この男になんの魅力があるのか?がさっぱりわからん。
またこの親分がどーすごいのか?もちっとも伝わらない。
周辺の子分やら兄弟の「セリフ」で凄さを表しているに過ぎないから
まぁーー薄っぺらい。
他の俳優さんが演じてらっしゃる親分衆に比べると、足元にも及びません。
だから井藤組が一目置かれる存在ってことが、さっぱり伝わらないです。
この2人を実力ある役者さんにするだけでも映画の印象は大きく変わったことでしょう。
キャスティングは大切な演出。最大と言っても。大失敗でしょう。
何も語りかけてこない、焦点がボケている非常に辛い2時間半。
興味ある方はぜひ。