「松坂桃李が好演。面白い。だが後半の捉え方で感想が異なってくるのでは?【最後の一行、すいません消せませんです。】」あの頃。 満塁本塁打さんの映画レビュー(感想・評価)
松坂桃李が好演。面白い。だが後半の捉え方で感想が異なってくるのでは?【最後の一行、すいません消せませんです。】
私、おっさんだし。別に、AKB以前のハロプロも、モー娘もよく知らない世代。おニャン子クラブの世代だから、よくはわからないんだけども、おニャン子に比べ、超飛躍的に、モー娘以降というか松浦亜弥というか皆、ショーマンシップ的にプロ化、進化しているのは認めざるを得ない。リズム感からして違う。CDも買ったことないけど、アナログとデジタル。白黒とカラーくらいの差があるねぇ、おニャン子とハロプロ以降では。そういえば映画に出てたiPodの旧式懐かしいねぇ。あの音楽溜め込むのなんだったんだろな。
そんなわけで(チラシによると)大学院受験に失敗し中途半端なフリーター、無気力ベーシストの松坂桃李が、松浦亜弥の映像に出会い、ハロプロに覚醒していく。
松坂桃李、コメディも演技うまいなぁ。脱力感と、ハロプロ仲間との珍妙なオタク的やり取りが笑える。
若いうちはいいよなぁと思った。
すごく親近感湧くし、面白い。
上映前のライブトーク以上にこの映画前半、脱力感に笑った。快調な滑り出し。
結論としては後半部の受け止め方によってウケた人とそうでない人に分かれるように感じた。とは言っても全体的に関西ノリで面白い。佳作とも言える。時間は長くは感じなかった。ちょうどいい。
ただ途中、ただのトークイベント開催から「恋愛研究会」バンドに変遷するにつれ、リアルな女の仲間内での取り合い、裏切り、ストーカーと話が変容し、なんかオタク脱力感が失速した。
器の極めて小さいせこい「コズミン」仲野太賀がここで大きく絡んできて、その後の癌で闘病まで引っ張るんだけども、この仲野太賀、「素晴らしき世界」での比較的シリアスな演技は良かったんだけど、器の小さい人の役と仲野の醸し出す軽薄な、こまっしゃくれた、あんまり面白くない雰囲気が合成されて観ててどうにも好きになれない。
やっぱり、2000年代初頭の4年の歳月は大きいだろけど、初めのあくまでアイドルオタク的な松坂桃李中心で通した方が良かった。他の連中もめちゃ面白いし。正直仲野太賀、コメディ向いてないのか、「コズミン」役の設定が悪いのか。どうも苦手だなぁ。器の小さいズル賢いキャラはコメディに不要に思えた。
「生前葬」ライブのエピソードは笑ったが、肝心の仲野「コズミン」がおもろなかった。他のキャラが全部個性的で面白かったのに残念。
コレ実話が原作らしいけども、少し設定と、話の流れ変えた方が良かった。それと、4年も経って、東京出て、フリーター継続中は。実際はキツいって。まあそういう自由人もいてもいいとは思う。
ハロプロ最高、オタク最強、大阪もオモロイ。松坂桃李もえんぎうまいし、オタクに感情移入して笑えた。
あんまり面白くない雰囲気が合成されて、観ててどうにも好きになれない。