「後半の創作がすごい」弱虫ペダル nanakoさんの映画レビュー(感想・評価)
後半の創作がすごい
原作ファンの感想です。
鳴子との出会いは大幅カットしたものの、ウェルカムレースあたりまではまだ描けているなと思いました。
寒咲兄の代わりにオリジナルキャラの寒咲父になったのも、寒咲兄と監督の兼役をやらせるためかと思います。そのため、寒咲父が総北の山岳ジャージを渡すという謎現象が起きます。
千葉県予選前に合宿が始まり、真波と出会うこともなく、T2と田所の絆もない、1000キロ走ってなさそうな合宿が終わったあたりから雲行きが怪しくなり、千葉県予選にインターハイを合体させたオリジナルストーリーが始まります。
この時点で箱学や他校を登場させた続編を作る気はないんだろうなと察します。
原作名場面のセリフだけはうっすら残した結果、金城は支離滅裂な指示を出します。
スプリントリザルトを獲るんだか獲らないんだか不明なまま一人で飛び出す田所。リザルトを獲った描写もなく孤独に走り続けます。
鳴子はチームを引くことを指示されますが、映画オリジナルのライバル校が先導をとり「協調」を始めたため集団の中にいます。
その後、集団落車に巻き込まれた小野田を「3分あれば追いつく」と待った巻島。追いついた小野田はそのまま今泉を引いて走り続け、巻島は飛び出すこともなく集団に残ります。そりゃ東堂もいない世界だから仕方ない。なんで3分待った?
ちなみにT2も存在しない世界なので、落車後の小野田を支えて100人抜け!と言うのは、手嶋の魂を宿したマネージャー寒咲です。
落車から復活後そのまま今泉を引き続けた狂人小野田はトップを走るライバル校エースを捕らえます。山を越えると今泉に勝利を託し、今泉は見事優勝します。今泉が優勝って…。1対2という不利な中で健闘するライバル校エースもすごい。
また、このゴールシーンには山神対決の「勝者は空を仰ぎ見、敗者はうらめしそうに地面に伏す」というナレーションが使われていますが、もちろんゴールは平地です。
以上は全部千葉県予選での出来事です。
役者は悪くなくメインの総北6人ともキャラクターに合っていました。星は役者の好演に対してです。
ストーリーは、え?そうなる?という後半の怒涛の改変に笑えました。許せないタイプの原作ファンは見るのを考えた方がいいと思います。
余談ですが、合宿で今泉の練習に顔を出した小野田が持っていたお風呂セットのシャンプーでかくない?それ、風呂場に置いておくやつでは?
あと、映画の中の杉元は経験者ではなくただのモブでした。