「明るい老後〜??」おらおらでひとりいぐも 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
明るい老後〜??
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原作は未読なので映画だけで感想書きます。
出だしから、もしや「2001年宇宙の旅」?
みたいな画面で始まる本作。
老人が主人公の映画とは思えない展開に
ああ、やられた(笑)みたいな〜〜
老人映画とは言え、決して暗くなく
沖田修一監督らしい「間」のおかしみと
擬人化した3人の「寂しさ」のそれぞれの存在感が
なんか流石で観てて逆に楽しかったな〜〜
撮影中もきっと田中裕子を真ん中に「寂しさ」を演じた
濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎の面々が
かなりノリノリで撮影された空気感が伝わってくる。
大きな事件は起きないです。
でも高齢者にとっての「墓参り」は結構な冒険の旅なんです。
墓地ってそんなに便利な町のど真ん中にあるはずも無く
バスに乗ったり坂道を歩いたりと、本当に一大事!
(去年の高齢(85歳)の伯母に付き添って実感しました。)
なんだと言うことがこの映画を観ると実感させられます。
それと沖田修一監督のなんとポップな映画作り!
ぜひ、広い映画世界の一つの表現として記憶に
留めておいて欲しいですね。
で、月に8回ほど映画館に通う
中途半端な映画好きとしては
そもそも老人の孤独をこんな風にエンタメにした
原作者さんに五億点!!(笑)
老人が主人公だとそれだけでなんか先行きの無い
暗い感じを想像しがちですが
3人も現れる「寂しさ」は逆に賑やかにすら感じます。
でも本当は3人も必要な程、
実は「寂しさ」が深いのかな〜〜とも思いました。
そして、
蒼井優と東出昌大が演じる若い頃の桃子さんと旦那さん
平凡だけど仲良く年を重ねて来た感がとても自然に
伝わって来て、ああ、あの時代のご夫婦ってそうよね〜
現在75歳の女性の若い頃といえば
兄弟、姉妹も多かったし、
ご近所付き合いも今よりもはるかに親密だったでしょうから
故郷を離れて高齢になった桃子さんのたった一つの「故郷」であった
ご主人の死はそりゃあ寂しいでしょう〜〜
でも、ここで人生で初めて自由になったと言う感慨は
この年齢の方にはあるあるでしょうね。
最後になりましたが田中裕子さんの演技!
樹木希林さん亡き後、女性の重鎮の枠を埋める存在に
王手を打った感がありますね。