「生き生きとした新しい生活を」おらおらでひとりいぐも にっしんさんの映画レビュー(感想・評価)
生き生きとした新しい生活を
一人で生きる新しいこれからに触れたくて、3月以来の劇場へ。田中裕子さんのおばあちゃん「桃子」の綺麗さと、「私は私らしく一人で生きる」への共感に、あっという間の時間だった。導入部、地球誕生からのズームは、なんなのだろうか。新たな生活は、地球誕生から繰り返し引き継がれてきたものなのかもしれない。幻覚的なユーモアの一方で、妙にリアリティーのある老人の現実を感じた。「夫が死んだ時、一点の喜びがあった」と言う「桃子」の言葉が印象的だった。「愛以上に大切なものは自由や自立だ」と言う言葉に、新しい生き方への決意を感じた。振り返ると、いつでもそうだった。親に縛られ、夫に気を使い、子供や孫に利用され、自分をなくしていた。縛られるものは少ない方がいい。「おらおらでひとりいぐも。」そんな生き方を気づかせてくれる作品だった。
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