「キリンの設定が気になる」ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
キリンの設定が気になる
面白くないわけではないのだが、ハリーポッターシリーズに比べるとワクワク感がない。
グリンデルバルドがあまり怖くないのが原因の1つか。
登場キャラ達にあまり関心をもてないのだが、唯一ジェイコブは好き。
「ダンブルドアの秘密」というが、秘密というほどの秘密はあったのだろうか…。
個人的には、なぜダンブルドアがグリンデルバルドを好きになったのか、ということが最大の謎。
才能がある、というだけで好きになるダンブルドアでもないだろう、と思ってしまう。
このへんの機微を描き、ダンブルドアとグリンデルバルドの恋愛を掘り下げてくれたら、このシリーズにもっと興味がもてたと思う。
まあ、もしJKローリングがその辺描きたかったのだとしても、中国は同性愛ダメなんで、お金的な事情で描けないだろうが。
さておき、ダンブルドアが同性愛者だということの描かれ方には考えさせられた。
少し前だったら、意外性のあることとして描かれたと思うが、この映画ではさらりと扱っていて、それだけLGBTを特別視しない社会になったということか。
キリンの設定は魔法社会らしくて面白かったが、いろいろ疑問は残る。
国際魔法使い連盟のトップ選ぶという超重要な役割なのに保護されてないとか、そもそも何をもって「純粋な心」とするのか?とか。
考えすぎかも知れないが、この物語のキリンの話は、パンチェン・ラマと中国の話を連想させる。
チベット仏教では、ダライ・ラマやそれに次ぐ高位であるパンチェン・ラマは、死ぬとすぐに転生すると考えられており、その生まれ変わりを次の代のラマとする。
誰が生まれ変わりなのか、いろいろ宗教的な方法で探すわけだが、中国がチベット自治区を安定的に支配するため、自国の傀儡となるパンチェン・ラマを勝手にしたてあげてしまい、現在は2人のパンチェン・ラマが存在する、という状況になっている。
本当の生きたキリンと、傀儡となった死んだキリン。本当のパンチェン・ラマと、傀儡となったパンチェン・ラマ。考えすぎかな。考えすぎだろうなあ…。
このシリーズではさまざまなかたちで魔法社会における魔法動物の重要性を描いているのだと思うが、リーダー選びを民主的な選挙ではなく、魔法的な方法で選ぶことの問題を考えさせられた。
個人的には、なぜダンブルドアがグリンデルバルドを好きになったのか、という点についてはハリポタ原作最終巻に細かくはないですが記載があります。
才能あふれるアルバスには真の理解者がいなかったので会話が発展する。理解してもらえてしかも同意してもらえる。というのが大きかったのかもしれません。
まあ、もしJKローリングがその辺描きたかったのだとしても、中国は同性愛ダメなんで、お金的な事情で描けないだろうが。とのことですが噂によると同性愛をほのめかす約6秒でさえカットらしいのでカットされても話がおかしくならない範囲を攻めたのかもしれないなと思います。