「キラキラエルヴィス」エルヴィス ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
キラキラエルヴィス
エルヴィス・プレスリーがブラックミュージックに影響を受けた、というのはどこかで目にした。しかし、私が洋楽を聴く頃には、彼はすでに亡くなってたし、もみあげを強調した芸人のものまねくらいでしか、耳にすることがなかった。あと、晩年の過食症でむっくりした印象しかなくて、若い頃のことはまったく知らない。なので、歌も振りも曲も、全てが新鮮だった。ほんっとにキラキラでノリノリ! 今「A little less conversation」がお酒のCMで使われているけど、あの曲もかっこいい。
黒人しかいない教会、そこでグルーヴに身をゆだね、恍惚となる少年エルヴィス。これは肌の色がどうこういうより、本人の元々のリズム感が、シンクロしたんじゃないだろうか。別の子が同じことしても、何も感じなかったかもしれない。これが運命ってやつなんだろうな。
パーカー大佐は確かに他人を操るのに長けている。エルヴィスの父まで骨抜きにした。ビジネスの交渉はうまかったが、結果的にエルヴィスを消耗させた。アメリカ国内だけでも稼げたのは確かだが、働くにも夢や目標がなければ、やりがいはない。それでも観客がいる限り、薬を使ってでもステージに上がるエルヴィス。夜中にピーナッツバターサンドを食べて、薬飲んで…うう、かわいそう。しかし、この時代は、観客との距離が近いねー。よく無事だったよねー。
娘のリサ・マリーは、20年あとにマイケル・ジャクソンと結婚して、MVでイチャイチャするなんて、パパは想像できなかっただろうな。エルヴィスも悲劇的だが、同じように不憫な(と勝手に思う)マイケルの映画ができるのは、まだまだ先になるのだろうか。アメリカの芸能界、闇が深すぎ…。
世界情勢が不安な時こそ、音楽が必要。「If I can dream」には泣けた。right now…願う平和を。