「ファンからの愛を一身に受けた。」エルヴィス せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンからの愛を一身に受けた。
ロックの神様エルヴィス・プレスリーとそのマネージャーとしてエルヴィスの手網を引く男の話。
まず、この映画のエルヴィス・プレスリーがずっと"スター"として画面の中に居続けていたのに感動した。ステージ上の足つき、ダンス、ファンサービス、プライベートにおいてのスマートさ、何から何まで完璧にスターのエルヴィス・プレスリーを演じたオースティン・バトラー最高。そしてめっちゃかっこ良かった。
個人的にBBキングに会いに、黒人街に車で来て街の人にファンサービスしながらバーに入っていくシーンがめっっちゃカッコ良かった。あのシーン全部の仕草が全て完璧、スマート。
最近の同じような音楽伝記映画、『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』はスターの本当の顔をスターではない普通の人として描こうとしてたのに対して、本作はエルヴィス・プレスリーはずっと手の届かないスターだった。エルヴィスを搾取し続けた大佐ですら、エルヴィスにずっと手が届いていなかったような気がする。
私自身ジャニーズが好きなアイドルオタクとして、本人の幸せが1番と思えど、アイドル(偶像)としてのその人が好きなのは十分分かっている。エルヴィスのダンスに熱狂するファン達はその一瞬生まれる実態のないなにかに歓声を上げているようで、それを一身に浴び続けることはドラッグよりもハイになる瞬間なんだろうなぁ。
あと、バズ・ラーマン監督の映画を初めて劇場で見まして、とてもこの大袈裟でありながら徐々に悲しい結末へと向かっていく不穏さがたまらんね。
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