「歌をまるっと聴きたくはなるな」エルヴィス ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
歌をまるっと聴きたくはなるな
バズラーマンズ〝プレスリー“と言う感じのエンターテイメントだった。詰め込めるものは詰め込む、豪華な視覚情報を散々テンポよくミックスさせてゆく手腕は早送りさせないぞ、という勝負を挑んでるかとようだ。まあ昔からだけど。
ボヘミアンラプソディでは主人公のキャスティングと造作がまったく乗れなかったので本作のオースティンバトラーには大拍手。最初の衝撃を与えるライブシーンは本当にかっこよかった。ただ途中からやっぱり歌をまるっと聴きたい欲求には応えてくれないのでなんか溜まってくる。ここはボヘミアンラプソディとは逆。で、クライマックスをどこに持ってくかといったらラスベガスの監獄。その助走であるクリスマスのテレビ番組。
やっと最後の最後にマジものが出てくるが、やっぱりそれは圧倒的に素晴らしい。
バズラーマンの映画の作りはとにかく積み重ねて走馬灯のようなものになれば、、でいくとどう締めるかが重要なのかと思うけど、やっぱりプレスリーの死はフレディマーキュリーの死と違って集約されてるものがヒーローと悪党マネージメントなので苦い終わり方になるな。。妻や愛する人が中心だと物語として昇華できるけど、中心が悪党マネージャーだもんな。
でもやっぱり往年のヒット曲をバッチリ映画の再現で観たかった、とは思う。クリスマスのやラスベガスのはそれなりに面白かったけど。あえてやらなかったのは冒頭やエンドロールの音楽の使い方でよくわかりましたが。
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