劇場公開日 2022年7月1日

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「名匠バズ・ラーマンの新たな代表作の誕生!」エルヴィス 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5名匠バズ・ラーマンの新たな代表作の誕生!

2022年7月3日
PCから投稿

映画が始まるや熱狂の渦に飲み込まれた。私はエルヴィス世代でもなければ、時折TVで耳にする彼の楽曲も甘ったるく感じていたくちだ。しかし本作から聞こえてくる彼の音楽、パフォーマンスは私の先入観をことごとく破壊した。なんという革命。なんという才能。ただし、全ての勝因はエルヴィス自身というよりは、本作のとてつもない馬力と語り口のなせる業か。バズ・ラーマン印の映像は今回も絢爛豪華で、宙を飛び交うカメラワークは活力を失わず、指先一本動かすことを禁じられたキングの、まるで拘束具から解かれるがごときエモーションの爆発をもダイナミックに映し撮る。そしてトム・ハンクスの演じる”大佐”をある意味、メフィスト的に描き、なおかつ全ての経緯を彼目線で語らせることで、形を変えゆく関係性のいびつさ、運命の残酷さが我々を飽きさせない。人によって好き嫌いはあろうが、全てはやはりラーマン。彼のキャリアの代表作となるのは確実だ。

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牛津厚信