劇場公開日 2022年3月11日

  • 予告編を見る

「対MCU」THE BATMAN ザ・バットマン Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 対MCU

2025年10月8日
iPhoneアプリから投稿

2022年3月鑑賞

近年バットマンと言えばクリスチャン・ベール演じるノーラン版が印象が強い。
近々のDCUのベン・アフレックはどうしても薄い印象。

ノーラン版が終わった当時
ようやく暗い時代のバットマンが終わってくれたなんて投稿や書き込みを目にしたが、今作はノーラン版より数段ダークで陰湿で重くシリアス。笑
クリスチャン・ベールはブルース時では笑顔もあり少しおちゃらけたキャラクターでもありましたが、今回のブルースはニコリともしません。

アンチノーラン版だった人達はさぞかしガッカリした事でしょう。
しかしMCUが世界的なビッグコンテンツになった今DCはこの方面でやるのが正解だと思う。
個人的にはかなり好みの一作だった。

まずバットマンの無駄な設定と生い立ちをぶっ飛ばし冒頭からバットマンでの開始。

MCUスパイダーマンもそうだったが
『みんな知ってるよね?やらなくていいよね?時間の無駄だし』

という。一見さんお断りスタイル。
でもこれでいいのです。
ブルースがなぜバットマンなのか?
ピーターがなぜスパイダーマンなのか?

ヒーロー映画を観に行く大半の人たちは既に知っていて何度も何度も観なくてもいいのです。特にベン叔父さんの悲劇は。
監督脚本が違えど、その部分は絶対に変わらない部分なのだから。
賛否あると思うが好感を持てます。

さて、肝心の中身は、冒頭から『すでに始まってます』笑
置いてけぼりを喰らう人はもはや冒頭で付いてけないはず。
確かに意地悪な作りですが
異様な画面の暗さと演出でなんとか入り込めます。

ネタバレはしたく無いのでストーリー面にはあまり触れませんが

個人的にはベストに近いストーリーだった。
全体的にはやはりノーラン版やホアキンジョーカー側

簡単に言うと『現実思考』の作り方
そんな現実味を帯びた世界にバットマンやリドラーを落とし込むのはなかなか難しいと思いますが、この辺りはノーラン版やジョーカーでベース作りをして貰ってたおかげで『頭おかしいいかれた奴』として落とし込めてます。

そんな世界観でのストーリーは
やはりどんちゃんバトルでは無く。
クライムサスペンス。
警察の捜査ありきのストーリー展開です。

この辺りが、バットマンでしかできない異様なジャンルだなぁと感心してました。

個人的にはかなり没入出来ましたし、単純に面白かった。
続編も観たい。

そう思わせてくれる作品でした。

ただ!

やはり映画作品として
エンタメとして考えるならば。
改善点もあります。

作品自体を一見さんお断りにした事はまぁ個人的にはいいが、やはり少しの説明はした方が良かったかもしれない。
MCU作品ディズニー+でスピンオフドラマ連発で閉鎖的になってきてる今
バットマンまで閉鎖的になっては今後の作品作りに影響すると思う。

ファンも大事だが新規も大事。

次にジョーカーに引っ張られすぎ。
今作のリドラーなんてジョーカーとかぶってしゃーない。

そしてバットスーツのタフさ。
これだけは気になって仕方なかった。
せっかく現実味を与えた作品なのにペラペラのレザーヘルメットでそれは死ぬて。
どんなスーツだよと。

そこら辺はノーラン版の方がしっかり作り込めてた。

最後にやはりブルースが暗すぎる。
もはや重度のメンヘラです。
ブルースの性格面は続編で変わってくるかもしれませんね。
今は成長段階だと捉えます。

まぁ色々書きましたが
個人的にはベストバットマンだったかも知れません。
ダークナイトに匹敵するかも。

あとこれから観る人に言いたい。
初見字幕はしんどい。
画面が暗いせいで文字と映像が目で追えない瞬間がある。

数回観るか吹き替えも観るとよりストーリーがハッキリするでしょう。

Flagman
PR U-NEXTで本編を観る